「80万円で映画を作る方法」とは?ロバート・ロドリゲス監督が白熱解説
2019年3月14日 13:00
[映画.com ニュース] 3月11日(現地時間)、テキサス州オースティンで開催中のSXSW映画祭に、「アリータ」が大ヒット中のロバート・ロドリゲス監督が、新作「Red 11」のワールドプレミアのために現れた。
上映に先だって、ロドリゲス監督によるフィルムスクールが実施され、およそ1時間にわたって「どうやって、この超低予算映画を実現したか」について監督が熱弁をふるった。
「Red 11」は、製作費が7000ドル(約80万円)という、破格の低予算映画。同じく超低予算で話題になった「カメラを止めるな!」と比較しても、4分の1というレベルだ。もともとロドリゲス監督は、デビュー作「エル・マリアッチ」(94)を7000ドルで製作した実績があるが、監督は当時その資金を、自ら新薬の臨床実験アルバイトに参加して捻出したという。「Red 11」は、この25年前の自身の経験がベースになっている。
ロドリゲス監督は、撮影現場でのちょっとした工夫や編集のテクニックを駆使することで、VFXやCGに頼らなくても「凄い映像」は作れるという実例を、本編の映像と、撮影中のメイキング映像を交互に見せて聴衆に提示。感心する聴衆に向かって身を乗り出し、「映画作りだけじゃなくて、日常生活における色んな工夫や知識を総動員して、映画を作ることが大切なんだ」と熱く語った。
気になる製作費、7000ドルの明細については「カメラと音響が1700ドルくらい。これは、プロダクションから私個人への支払い。私は自分のカメラを持っているからね。照明と付帯の設備に450ドル、衣装と小道具で300ドル。キャストのギャラは、全部で3000ドルぐらい。ポストプロダクションはゼロ。製作費はまだ残っていて、まだ少し使うけど、ここまでは5756ドルだよ」と明かし、聴衆の驚きと共感を集めていた。