岸井ゆきの、究極の片思いOL役「自分とは違うけれど真っ当なことをしている」
2019年3月12日 20:45
[映画.com ニュース] 直木賞作家・角田光代さんの小説を映画化した「愛がなんだ」の完成披露上映会が3月12日、東京・テアトル新宿で行われ、出演の岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也と今泉力哉監督が舞台挨拶に登壇した。
岸井は、成田扮するつれないそぶりばかりの男性にどんどんとのめり込んでいく究極の片思いOL役。「成田くんとは同じ映画に出ていたことはあるけれど、セリフを交わすのは初めて。楽しくおしゃべりして仲良くなっちゃったら、すれ違う部分が出せないと思って距離を取っていました」と撮影を振り返った。
だが、成田は「全然気が付かなくて、ずっとしゃべりかけていた。だから、岸井さんは変な人なんだと解釈していた」と苦笑。「まだ知らない女性なので、これから知っていきますか」と提案すると、岸井も「お願いします」と同意し、会場の笑いを誘った。
それでも成田は、「普通にやったら嫌われるので、今までで一番丁寧にやったかもしれない。ひとつも間違えられない芝居だったのち密にやりました」と自信の笑み。岸井も、「その人だけを見て、なりふり構わず突っ走るのは私とは違うけれど、すごく真っ当なことをしている。好きだからという気持ちを大事にしながらやっていました」と満足げに振り返った。
一方、岸井の親友で思いを寄せる若葉を振り回す役どころの深川は「つかみどころのない役だけれど、その中の弱さ、不器用さが伝わればと思いました」と説明。若葉は、「ほぼ全部に共感できます。夜中にビールを買いに行かされるなんて全然あります。皆、けっこうやっているんじゃないですかね」と胸を張った。
また、岸井と深川はNHK朝のテレビ小説「まんぷく」では姉妹役で共演。岸井は「この作品がけっこうなハードスケジュールだったのであまり時間がなくて、『まんぷく』でやっと話せた感じ」、深川も「ご飯も一緒に行ったし、前室でもたくさん話したよね」と仲の良さをうかがわせた。
そして、岸井が「個性が強い人ばかりで、私じゃないと思っても、誰かしらに共感できたり、身に覚えがある部分があると思う」とアピール。今泉監督は、「岸井さんは出ずっぱりで、台本でいえば2ページくらいしか出ていない部分がない。それでもずっと真ん中に立って、明るく引っ張ってくれた」と称えていた。
「愛がなんだ」は、4月19日から全国で順次公開される。