「あの日のオルガン」モデルになった“園児”たちが74年ぶりに再会!
2019年3月11日 20:00

[映画.com ニュース] 太平洋戦争末期に若い保母(保育士)たちが幼い園児たちの命を守るため集団で疎開した「疎開保育園」の実話を映画化した「あの日のオルガン」(公開中)のスペシャルイベントが3月10日、都内で行われた。平松恵美子監督、本作の企画を担当したシネマとうほくの鳥居明夫、劇中に登場する園児“けんちゃん”のモデルである田辺健之さん、同じく園児だった佐瀬玲子さんと長尾満栄さん姉妹が登壇。田辺さんは、佐瀬さん、長尾さんと74年ぶりに再会を果たし、疎開時の思い出話に花を咲かせた。
イベントが行われた3月10日は、74年前に東京大空襲が起きた日。平松監督はこれまで「母べえ」「母と暮らせば」など、山田洋次監督と共に“戦争”を描く作品を世に送り出してきたが、「戦後74年以上経ち、戦争を題材にした映画は、作られにくくなっているという現状があります。大事なテーマは手を変え品を変え、何度も繰り返しメッセージとして伝えていくべきだと思います。同じメッセージでも30年前には、役者さん、考え方、演出家、当時の方に一番届きやすい形で作られています。本作は戸田恵梨香さんや大原櫻子さんをはじめ、旬の俳優さんを招き、今の人たちに一番届きやすい形を意識して、平和へのメッセージをつづりました」と熱い思いを吐露した。

東京大空襲によって家族全員を亡くした田辺さんは「私が東京に帰ってきてから、再び(大原が演じたみっちゃん先生のモデルとなった)福地先生とめぐり会い、2度とこのようなことがないよう、一生懸命伝えていこうとする姿を見て、私も協力したいと思いました」と振り返る。
当時2歳だった長尾さんも「体験的には覚えていませんが、戦時中の経験を子どものときから現在に至るまで、姉から聞き及んでおります。皆さまも反戦の意が込められたこの作品しっかりご覧になって、家に帰ってもご兄弟や親御さんに、ぜひお話していただきたいと思います」と、本作を通して語り継ぐことの重要性を述べた。
佐瀬さんは「妹と一緒に、けんちゃんにはよく泣かされていたんですよ(笑)。親が恋しくなって泣き出すこともありましたし、保母さんには『そこで大声で泣いていなさい!』とお風呂場に連れて行かれたり。でも泣いた後にはお花やお菓子、大根の葉に色をつけたものを食べさせてもらったりしていましたね」と当時を懐かしんだ。
イベントを見にきていたという、疎開保育園の園児やっちゃんを演じた中島琴音も登場したほか、スペシャルゲストとして主題歌「満月の夕 2018ver.」を歌うアン・サリーも登場し、平和の祈りを込めた同曲を生披露した。
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