名古屋の映画館「シネマスコーレ」が“ゆうばり”をジャック! 白石和彌らが自作の秘話明かす
2019年3月10日 22:40
[映画.com ニュース] 愛知・名古屋の映画館「シネマスコーレ」にフォーカスを当てた特集上映「奇抜な映画館 シネマスコーレの日」が3月10日、北海道・夕張市で行われている「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」で開催された。
お披露目されたのは、名古屋テレビ放送制作のドキュメンタリーを映画化した「劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命」(樋口智彦監督)、NHK文化センターの人気講座“みんなで映画をつくろう講座”の受講生が作品作りに挑んだ「中川運河サンダーボルト」(北岡真紀子監督)、白石和彌監督が名古屋での子ども時代の出来事から着想を得た「マンドリンの女」、白石晃士監督による短編バイオレンスラブコメディ「恋のクレイジーロード」。「シネマスコーレ」支配人・木全純治氏が司会を務め、各作品の上映後にはトークが行われた。
白石和彌監督が新作「麻雀放浪記2020」の準備中、名古屋で撮影した「マンドリンの女」は、木全氏が企画・プロデュースを務めた「Filmusic in 中川運河・秋」の1本として製作されたもの。本作の着想について「札幌で借金を抱えた親が夜逃げをしまして、2年間名古屋にいたことがあるんですよ。だから半分自伝なんです」と白石和彌監督。撮影期間はわずか2日間。「前日深夜バスで東京から名古屋に行って、朝6時30分に着き、7時から撮影をしているんです。しかも台風ド直撃(笑)」と当時を振り返る。モノクロ映像で紡がれる本作には“赤”のパートカラーが印象的に使用されているが、当初の予定とは異なっていたようだ。
「最初は、主人公の少年が、女が屋上で奏でるマンドリンの音色に誘われるという設定だったんですが、雨が降っちゃったから弾けなくなった。たまたま僕が赤い傘を持っていたので、現場で設定を変更して、それを使用したんです。編集の段階で(パートカラー)の提案を受けてやってみたら、若干『シンドラーのリスト』だったけど、大分時間も経っているからいいだろうと(笑)」と明かした。そして木全氏から「劇中の建物は既に壊されてしまったが、素晴らしい映像として残った」という事実を聞くと「映画の力っていうものがありますよね。何気なく撮っていても、それがいつの間にか記録になっている」と切り返した。
「恋のクレイジーロード」上映後には、白石晃士監督のほか、「劇場版シネマ狂想曲 名古屋映画館革命」で密着された「シネマスコーレ」副支配人・坪井篤史(「恋のクレイジーロード」ではプロデューサー)、出演の田中俊介(BOYS AND MEN)が登壇。「ジャンクション29」「デッドエンドの思い出」が控えるなど、ブレイク間近となった田中の「またタッグを組みたい」という意見を疑う白石晃士監督は「本当はやりたくないんじゃないの? スケジュールありません、そんなお金では出れませんみたいになっちゃうんじゃないの? (白石)和彌さんの方だったら日本アカデミー賞に絡んだりするからね。晃士はアカデミーは無縁だし」と“口撃”。だが「『恋のクレイジーロード』の続編として『愛のクレイジーロード』っていうのを長編でやれたらな。今度はフェイクドキュメンタリー形式で」と再タッグの構想を明かしていた。
坪井氏から「撮影のことは覚えてます?」と聞かれた田中は「どの作品も現場のことを覚えているんですけど、この作品に関しては記憶がないんです。必死だったんだと思うんですけど、監督があえてカットをかけなくても『どうしよう…』とか考えてなかった気がする」と述懐。撮影後日、女装男役を演じた宇野祥平に話を聞いたようで「あの時、僕鼻水垂らしているんですよ。かなり垂れていたんですが、全然気づいてなくて。それを見た宇野さん、アドリブで『鼻水、すすったろうかな』と思っていたらしい(笑)。そうなっていたら別の展開になって、全然違う作品になっていたはず」と暴露し、場内の笑いを誘っていた。
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