満島ひかり、祖父は米兵 故郷への思い明かす「好きです、沖縄」
2019年2月25日 07:30
[映画.com ニュース] 日本最年少の監督(13歳)として「やぎの冒険」(2010)を世に送り出した沖縄出身の大学生監督、仲村颯悟(りゅうご)氏が開催する「卒業記念イベント やぎと人魚とりゅうご 沖縄の中学生カントク、こんなに大きくなりました」が2月24日、東京・渋谷のユーロライブで行われ、沖縄出身の女優、満島ひかりがゲスト出演した。
同イベントは、3月に慶応大学卒業を控える仲村監督が日頃、お世話になっている人に感謝の気持ちを伝えたいと自ら企画したもの。「やぎの冒険」の上映後にゲストとして登壇した満島は「同じ沖縄東中学の先輩、後輩です。『中学生が映画を撮ったよ』という話は聞いていました。お父さんたちの仲がいいんです。ゲスト出演の話をもらった時、別の人にもオファーしているので、『待ってください』と言われ、『2番手でもいいですよ』と答えましたが、こいつ、大物だなと思った」と笑う。
「やぎの冒険」は、那覇市の都会で暮らす小学6年生の少年が、祖父母が暮らす今帰仁村で冬休みを過ごす姿を描く。飼っているヤギを食する風習にショックを受ける中、ヤギが逃げ出し、大騒ぎになるというストーリー。沖縄のスタッフがバックアップして製作。上海国際映画祭など国内外の映画祭で上映され、話題になった。
満島は「すごく面白かったです。中学生が撮った映画だから、もっと恥ずかしい感じなのかなと思っていたのですが、びっくりしました。カット割り、画がきれい。役者の演技も素晴らしい。いろんな場面があって、飽きなかった。いつか、お仕事を一緒にお願いします」と絶賛していた。一方の仲村監督は、「中2の冬休みに撮りました。嫌われるくらい自己中なので、ちゃんと自分で編集もしました。そもそも、ヤギが出てくるホラー映画を撮りたかったんです。でも、中学生がホラー映画を撮るのはどうかという話になり、いろんな事情でああいう形になりました」と話した。
仲村監督から「沖縄が舞台の映画に出たことがないですよね?」と水を向けられた満島は、「『モスラ2』に出たことがありますが、それが最初で最後だと思います。オファーは4回来たことがあるんだけども、全部、米兵さんに悪いことをされる役。おじいちゃんが米兵だったので、出られなかった」と複雑な胸の内を明かした。
沖縄を離れて久しいが、「きょうだいが近くに暮らしているので、毎日、沖縄弁を使っています。今でもナレーションで、イントネーションを注意されるくらいです。先日、沖縄に久しぶりに帰って、ここで育ったなと思いました。いろんな人、いろんな顔の人がいて、面白い。そして、答えがずっとないところだと思います。好きです、沖縄。空がとっても広くて、神秘的な時間が1日の中に何回もあります」とその魅力を語った。