さぬき映画祭2019閉幕!「さぬきストーリー・プロジェクト」グランプリは3年連続出品の安田淳一監督作
2019年2月12日 07:00
[映画.com ニュース] 「さぬき映画祭2019」のさぬきストーリー・プロジェクト 「ショートムービー・コンペティション」の結果が2月11日夜、香川・高松のレクザムホールで発表され、映画祭が閉幕を迎えた。グランプリは、「拳銃と目玉焼」「ごはん」で知られる安田淳一監督による「善通寺的な恋の始まりの物語」(製作・さぬき未来映画プロジェクト)に決まった。
今年で4回目を迎えたこのコンペは、香川での面白いエピソードや感動する話、歴史や伝説などの「ストーリー」を基に製作したショートムービー(5分以内)を映画祭会場で上映し、来場者の投票で順位を決定するというもの。参加者のプロ、アマは問わない。グランプリ受賞作の50万円をはじめ、10位までの入賞者にそれぞれ賞金が贈られる。
グランプリ受賞作の「善通寺的な恋の始まりの物語」は、安田監督が善通寺の名物・堅パンを食べて、歯がかけるような思いをした体験を基に作ったコメディー。女優の沙倉(さくら)ゆうの、俳優の矢口恭平が主演した。安田監督は「参加3年目にしてグランプリを取ることができました。ようやく製作費を回収することができます!」と壇上で喜びを爆発させた。
「さぬき未来映画プロジェクト」は4年前、さぬきで自主映画を製作する西原仁見さんをはじめとするメンバーと京都在住の安田監督が、将来の長編映画製作を目指して立ち上げた映像製作集団。まずはショートムービーを製作しようと、同コンペに3年連続で出品した。
安田監督は「面白く脚色してもいいということだったので、善通寺的なラブストーリーで、コメディーにできないかと発想しました。昨年の『虹』は2票差で3位。グランプリ作品(『HELP!!』田中佑和監督)が飛び抜けていたので、戦意喪失したところもありましたが、今年も頑張って作ってよかった。ロケハンは終わっているのに、脚本が出来上がらず、完成したのは撮影当日の朝。みんなを慌てさせてしまいました。僕は長編映画も撮っているので、脚本が長くなってしまう癖がある。8分くらいあった内容を5分以内に編集するのに苦労しました」と話した。
主演の沙倉も「やりました! プロジェクトに関わって3年目。2位と3位にはなったけれども、去年まではグランプリ以外は何も表彰されなかったので、悔しい思いをしていましたから」と念願のグランプリを喜んだ。賞金の50万円の使い道について、安田監督は「まずはお世話になった方々にお礼をして、残りは次の映画の資金にしたい」とさらなる意欲を燃やした。
受賞作は後日、「さぬき映画祭」公式サイトで見ることができる。