「女王陛下のお気に入り」はなぜアカデミー賞最多候補になれた?監督が独自性を解説
2019年1月23日 13:00
[映画.com ニュース] 第91回アカデミー賞で作品賞をはじめ9部門10ノミネートを果たした「女王陛下のお気に入り」から、ヨルゴス・ランティモス監督のインタビュー映像が公開された。
本作は、18世紀イングランドの王室を舞台に、女王と彼女に仕える2人の女性の入り乱れる愛憎を描く人間ドラマ。第91回アカデミー賞では、女王アンを演じたオリビア・コールマンが主演女優賞、女王に仕えるアビゲイルを演じたエマ・ストーンとレディ・サラを演じたレイチェル・ワイズがそれぞれ助演女優賞にノミネート。ランティモス監督も監督賞候補となり、「ROMA ローマ」と並び最多10ノミネートとなった。
ランティモス監督は、3人の女性たちの関係性について「最初から目指したのは、彼女たちをできる限り複雑に描くことだった。この話は誰もが簡単に読んだり調べたりできるし、彼女たちの一面だけを見て短絡的に、こういう人物だと決めつけがちだ。僕たちが作り上げたかった登場人物というのは、話が進むにつれて、本人が変遷を遂げ観客の見方も変わる人物だ。必ずしも善人と悪人を区別できず、強者と弱者も決めがたい」と語る。さらに、「本作の最大の狙いは、3人の女性を一面的にとらえず、彼女たちのさまざまな側面を描くことだね」と解説する。
これまでも「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」など、独自の演出で注目されてきたランティモス監督。「女王陛下のお気に入り」では「さまざまな要素を利用して、現代的な感覚を持たせた。脚本作りの段階から、(脚本の)トニー・マクナマラとも相談し決めたんだ。現代的な言葉を用いて、当時の話し方はさせない」とこだわりを明かす。
衣装にも工夫を凝らし、「服装は当時を再現したが、現代的な生地も取り入れてる。本作に登場する人々の立ち居振る舞いは、ダンスや歩き方立ち姿までかなり現代的だ。音楽は当時のものもあれば、現代的なものも混ざっている。そんな風に撮影した。だからこの作品はさまざまな要素が組み合わさり、今に通じる部分やモダンなひねりがある」と紹介した。
「女王陛下のお気に入り」は2月15日から全国公開。
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