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「キングダム」実写化の背景に「タイタニック」手がけた“超大物スポンサー”の存在

2018年12月22日 16:04

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原作・原泰久氏(左)と松橋真三プロデューサー
原作・原泰久氏(左)と松橋真三プロデューサー

[映画.com ニュース] 山崎賢人主演の実写版「キングダム」のトークイベントが12月22日、千葉・幕張メッセで開催中のジャンプフェスタ内で行われ、原作者の原泰久氏とプロデューサーの松橋真三氏が出席。製作の背景には、費用面を支えた“超大物スポンサー”の存在があることが明かされた。

コミックスの累計発行部数は3600万部を突破した大人気漫画を実写化。中国大陸で500年以上も動乱が続いた春秋戦国時代(紀元前770~221年)の史実をベースに、奴隷のように虐げられた少年・信(山崎)が天下一の大将軍になろうと奮戦する姿を描く。

企画の始まりは2015年ごろだが、松橋氏は「『キングダム』は誰でもやりたい素晴らしい企画ですが、作るとなったらものすごい製作費がかかる。おいそれとは企画を持っていけない」と、やはり製作費がネックになっていたと語る。しかし、「タイタニック」を手がけた大物サンフォード・パニッチ氏(ソニー・コロンビア・ピクチャーズ代表)の存在が転機になった。

「サンフォードが『日本映画を作りたい』と言ってきた。彼はエグゼクティブ・プロデューサーだった『タイタニック』のとき、べらぼうに予算オーバーするなかでもバンバン(費用を)送金していたような人なので、『キングダム』の話をする価値があると思った。英語訳した5巻までの原作をアメリカに送ったところ、3日後に『ぜひやろう』と返事が来た。そんなスポンサーが加わったので、先生のもとに企画書を持って行きました」(松橋氏)。

一方で共同脚本に参加した原氏は、「了承をおくりましたが、脚本だけは言葉を入れさせてもらえたら嬉しいと、こっちから返事した」と説明。撮影開始ギリギリまで練り直しが続いたそうだが、「映画は王都奪還編までですが、連載当時、そこは2時間のものとして描いていない。(忠実に映画化すると)脚本として失敗するし、気を使われてもいけないので、こちらから『あれは捨てていいです』『つなぎはこうしましょう』と。10数稿までいきましたが、完成度は上がりましたね」と胸を張り、「原作ファンの方は『ここが違う』と思うことはあるでしょうが、面白くなっている。原作にはないセリフを書き下ろさせてもらったので、楽しみにしていただければ」とメッセージを込めた。松橋氏も「クライマックスの対決で、これぞ『キングダム』というセリフがあります」と含みをもたせていた。

キャストには山崎をはじめ吉沢亮長澤まさみ橋本環奈本郷奏多大沢たかおら豪華な面々。原氏が「MVPはたくさんいますが、本郷くんが難しい悪役を引き受けてくれたのはありがたかった」「大沢さんの筋肉、プロレスラーみたいになっていた。筋肉を落とさないために肉ばっかり食べていた」と興奮気味に語れば、松橋氏も「大沢さんは『キングダム』のために体重を87キロまで増やし、17キロ増量して挑んでくれた」と話した。

中国での大規模ロケも敢行し、松橋氏いわく総製作費は「今世紀の日本映画としては一番お金がかかっている。2ケタ億円」。原氏が「どこまでを映画化するのかと思っていたけど、『原作の5巻までで十分面白い。続きは(映画を)ヒットさせて作りましょう』と言われ、そこは英断と思った。でも集英社の皆は、5巻までと聞いて『え!?』」「ラッシュを見て、5回ほど(感動で)泣かされた。『原作が好きすぎて、映画は見ない』という人は多いでしょうが、絶対に見たほうがいい」と太鼓判を押すと、松橋氏は「続編やりたいですけど、すごいお金使っちゃったので(今作は)生半可なヒットじゃダメ」と笑っていた。

キングダム」は、2019年4月19日から全国で公開。

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