堤真一&岡村隆史「決算!忠臣蔵」で赤穂浪士に 関西弁のセリフで仰天秘話描く
2018年12月14日 06:00

[映画.com ニュース] 俳優の堤真一が中村義洋監督の最新作「決算!忠臣蔵」に主演し、「ナインティナイン」の岡村隆史とタッグを組むことがわかった。くしくも赤穂浪士47人が主君の仇討を果たした12月14日、堤が赤穂藩の筆頭家老・大石内蔵助、岡村がワーキングプアな勘定方・矢頭長助に息吹を注ぎ込むことを、配給・製作の松竹が発表した。
これまでに映像化だけで300本以上(松竹調べ)が製作され、日本人なら知らない人はいない「忠臣蔵」だが、今作は一味違うテイストで描かれる。原作は、江戸時代研究の第一人者である東京大学教授・山本博文氏の「『忠臣蔵』の決算書」(新潮新書)。大石内蔵助が実際に残した決算書を基に討入り計画の実像を記している。この話題作を中村監督が丁寧に紐解き、脚本に落とし込み、今まで見たことのない“本当の忠臣蔵”に迫る。
「忠臣蔵」は、江戸城・松の廊下で人傷騒ぎを起こし、その責任で切腹させられた赤穂藩君主・浅野内匠頭の仇討をするため、浪士となった47人の藩士たちが立ち上がり、宿敵・吉良上野介に仇討した武士の美談ともいえる物語。映画では、内蔵助がお家断絶を嘆く暇もなく勘定方の長助の力を借り、ひたすらリストラに励むが、幕府への働きかけもむなしく終わってしまう。内蔵助は一向に討入る様子がないが、江戸の庶民たちは吉良への仇討を熱望。そこで発覚したのが、討入りするにも予算が必要で、上限は現在でいうところの8400万円も要するということ。迷っているうちに予算は目減りしていくが、世間の空気的に仇討は必須となる。予算の都合で、チャンスは1回。浪士たちは予算内で仇討を成し遂げられるのか……。

メガホンをとる中村監督は、オファーを受けた当初「まさか自分が忠臣蔵を!?」と思ったという。だからこそ「かつて作られてきた映画、ドラマなど、あまたの『忠臣蔵』(300本!?)の名に恥じぬよう、と思うとあまりのプレッシャーに脚本が一文字も書けなくなってしまったので、決して構えず、極力軽やかにと心がけていたら、いつのまにか赤穂浪士は関西弁になり、『それ、なんぼ?』が口癖になった大石内蔵助をあの手この手で困らせることに夢中になっておりました」と胸中を明かす。
物語の舞台となった赤穂藩は現在の兵庫県に位置するため、当然といえば当然だが今作のセリフ回しは関西弁。兵庫出身の堤は中村組に初参戦となるが、「お話をいただき、あまりにも面白い脚本ですぐお受けすることにしました」と意欲満々だ。さらに、「誰もが知る有名な物語ではありますが、立場によって見方は代わり、あの時代に命をかけて忠義を尽くしただけの話ではなかったのです。面白いだけではなく繊細な一面もお持ちの岡村さんと一緒に、関西弁で誰も見たことのない忠臣蔵を皆さまにお届けいたします」とコメントを寄せている。
一方、大阪出身の岡村は時代劇に初挑戦。映画出演は、「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」(2014)以来となるだけに、「また映画に出たいとずっと思っていました。普段はなかなかお会いできない役者の皆さんとご一緒する、緊張感のあるプロフェッショナルな現場が好きです」と気合をみなぎらせている。自らの役どころについても「貧乏なそろばん侍。減量し、小4でやめてしまった嫌いなそろばんも頑張ります! なので、2020年の日本アカデミー賞では、僕にスピーチのリベンジをさせてください」と語っている。
話題作・意欲作を数多く手がけてきた松竹の池田史嗣プロデューサーは、キャスティングについて「共に関西出身のふたりによる凸凹コンビぶりは爆笑必至。女好きでボンボン育ちの大石内蔵助、ワーキングプアで神経質な矢頭長助。全くキャラの違うふたりの丁々発止の掛け合いが、この作品の肝になります。このチームなら、新しい国民的エンタテインメントとして“誰も見たことがない忠臣蔵”を皆さまにお届けできるはず」と説明し、撮入を心待ちにしている様子だ。
「決算!忠臣蔵」は、2019年冬に全国で公開。
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