ストリッパー若林美保、主演オムニバス公開に感無量 ホラー作で共演の佐伯日菜子「今回は怖がるほう」
2018年12月9日 17:00

[映画.com ニュース]現役ストリッパーで女優の若林美保が主演を務めるオムニバス映画「プレイルーム」が12月8日シネマート新宿で公開し、若林のほか佐伯日菜子ら共演俳優と監督陣総勢13名が舞台挨拶に立った。若林は満席の客席を前に「大きいスクリーンで見て、くらってしまいあまりうまくしゃべれません。(各作品の)威力に圧倒され、自分が出ていることも忘れてぼーっとしてしまった」と感激の面持ちで公開初日を喜んだ。
映画は5人の監督が独自の世界観でさまざまな若林を描いていくオムニバス。幼い娘を失った夫婦を描く「Floating」(福島拓哉監督)で若林の夫役を演じた園部貴一は、今年2月に他界した大杉漣さんの付き人をしていたと明かし、「クランクインする数日前に大杉さんが逝去されて、スタッフのみんなで大杉さんのためにもこの映画を完成させようと心をひとつにした。そんな時に若林さんは、優しく覆ってくれる、絆創膏のようだった。一緒に佇んでいるだけで受け止めてくださった」と撮影当時の状況を述懐。共演の高橋卓郎は「若林さんの肉体の説得力がすごくて、くらいました。その時の印象と後日打ち上げでお会いしたときの感覚がまったく違って、菩薩に見えたり少女のようだったり……作品を作ってからファンになってしまいました」と若林の多面的な魅力を伝えた。
「クローンハート」は、本企画で唯一の女性監督である中村真夕が実体験を基にした心理ホラー。中村監督は「若林さんを脱がせるのではなくて、心を脱がせる、そういう気持ちでやりました」と、若林の官能性を打ち出した他作品とは違ったアプローチをとった。TVシリーズ「エコエコアザラク」(97)や「リング」の続編「らせん」(98)など、日本を代表するホラー作品に出演してきた佐伯は「私貞子だったんですよ(笑)。怖がらせるほうは散々やったので、今回は怖がるほう。若林さんの魅力に巻かれていった」と自身の新境地について語った。
秘密結社の人造人間テロリスト「No.17」として育てられた女を描いたSF作「LION」を監督した現代美術家の松蔭浩之は「逆さまから読んだら『ナンバー17』です」とタイトルを説明。「脚本、監督、編集、音楽が僕で、あとはSALAさんのナレーション。間庭裕基君にアシスタントをしてもらいながら、時々彼の顔を撮っていった」と少数精鋭で作り上げた。若林は、セリフがなく、実験的な映像表現が特色の本作の撮影を「映画の撮影というより作品撮りをしている感じだった」と振り返った。本企画のプロデューサーでもあるナリオ監督は、昨年行われた松蔭監督の個展「LUST」で、「プレイルーム」のビジュアルとなった写真作品に衝撃を受けたと述べ、「もともとはこの映画と関係なかったけれど、ぜひメインビジュアルに使わせてほしかった」と話した。
そのほか、ナリオ監督が、バンド「イギリス人」の同名曲を題材に、渋川清彦演じる売れないバンドマンの恋模様を描く「などわ」、佐々木誠監督が帯谷有理氏のテキストを基に、路地裏ですれ違った女を尾行する倒錯した男を描いた「熱海の路地の子」の見どころを語った。
「プレイルーム」は、12月21日までシネマート新宿でレイトショー公開。
2018 (C)プレイルーム製作委員会
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