綾野剛×松田龍平×大友啓史監督! 沼田真佑の芥川賞受賞作「影裏」実写映画化
2018年11月27日 05:00

[映画.com ニュース]第157回芥川賞を受賞した沼田真佑氏の小説「影裏」の実写映画化が決定。「3月のライオン」(前編&後編)、「億男」の大友啓史監督のメガホンのもと、綾野剛と松田龍平が初共演を果たしていることがわかった。
高い技巧と繊細で美しい文章を交差させ、人間の心の裏側や、現代社会における繊細なテーマを描いた「影裏」。物語の舞台は、大友監督の出身地でもある岩手県だ。会社の転勤で岩手に移り住んだ今野(綾野)は、そこで出会った同僚の日浅(松田)と仲を深め、遅れてやってきたかのような“成熟した青春の日々”に心地よさを感じていた。だが、ある日突然、日浅は今野に一言も告げずに会社を辞めてしまう。しばらくして2人は再会したもの、一度うまれた距離は埋まらず、会わないまま時が過ぎていく。やがて、日浅が行方不明になっていることを耳にした今野は、彼の足跡をたどるうちに、数々の“影の顔”“裏の顔”を知ってしまう。
主演を務める綾野は「これほど愛おしく苦しく刹那な人を生きたことがありません。私の中で静かに生きていた感情を、今野秋一は呼び覚ましてくれました。そして日浅は、今野の中で生きる微かな影裏を見つけてくれた。そして照らしてくれた。私はあなたを忘れません」と胸中を吐露。「影裏で生きる全ての人々に出会えた事、大友監督の眼差し、各部署の愛、松田龍平さんが日浅であったからこそ、私は私で居られた。心から感謝します」と思いの丈を述べている。
「表があればもちろん裏もあって。大抵の人は裏は見せないもので。人によっては裏表なんてものは大して差がないのかもしれませんが。まだワンシーンだけ撮影が残っていて、終わってないのですが、どんな映画になるのか、とても楽しみです」と仕上がりに期待を寄せる松田。撮影は、原作の舞台でもある岩手県でオールロケを敢行。台本は日々改良が加えられていたようで、綾野は厳しくも充実した撮影を「監督とスタッフと心の壁を探す日々だった」と振り返っている。
「静かな文章と行間に宿る巨大なエモーション」という原作の魅力に惹きつけられた大友監督。「震災以前、震災以降。変わらないものと変わりゆくもの。東京オリンピックの熱狂と喧騒に追いやられる前に、寡黙な東北人の身体の奥底に潜む感情に、真正面から触れておきたい。熱烈に『撮りたかった』2人の俳優、綾野剛、松田龍平両氏との地元・盛岡での濃密な撮影は、まるで東北の短い夏のお祭りのように、強烈に脳裏にしみついています。良い作品に仕上げたいと思います」とコメントを寄せている。
「影裏」は、2020年に全国公開。
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