終わらない「2001年宇宙の旅」の熱狂 超高精細8K版が12月1日放送、鑑賞する裏技は?
2018年11月20日 15:00

[映画.com ニュース] 製作50周年を迎え、日本でも各種イベントが盛んに催されたスタンリー・キューブリック監督作「2001年宇宙の旅」(1968)。10月6~14日にニュープリント“アンレストア”版70ミリが東京・京橋の国立映画アーカイブで上映されたほか、同19日からはIMAX版が全国の劇場で2週間限定公開され、12月19日にはブルーレイの4倍とも言われる高解像度フォーマット「4K ULTRA HD」版が発売される(当初は11月21日発売予定だったが、製作上の都合で延期に)。
時を超え、深遠なる熱狂を巻き起こし続ける本作だが、日本での製作50周年企画はまだ終わらない。新たに開局するNHKのBS放送局「BS8K」で、12月1日の午後1時10分から8K版が世界で初めてテレビ放送される。ハイビジョンの16倍の画質を誇るという超高精細映像で、本作を新たな角度から見つめることができる。
国立映画アーカイブで上映されたアンレストア版70ミリは、当時のキューブリック監督が注ぎ込んだ執念とも言えるオーラを再現したこと、そして「こんなものまで映っていたのか」と驚嘆するほどの高密度の映像が、日本の映画ファンを唸らせた。忘れ去られつつあった“作品が本来持っていた魂”を、現代によみがえらせたこと……。各回の上映終了直後に起きた映写室への拍手は、観客の肉体から精神が分離し、時間と空間を超えた遥かな旅路を堪能したことの証左であり、その価値を雄弁に物語っていた。
一方で8K版は、未知の領域に踏み込む新たな試みだ。NHKの呼びかけにより、作品を管理するワーナー・ブラザースが専門の作業チームに依頼し、修復・8K化を開始。50年の歳月で生じたオリジナルネガの劣化や傷を丹念に修復し、すべての色彩に検証および補正を施したほか、初公開時の映像と音声に近づけるレストアも行った。本作を撮影した当時最高品質の70ミリフィルムは、4Kを超える情報量と8K並みのクオリティを持つとされている。今回の試みにおいて、NHKは「70ミリフィルムのポテンシャルを十分に生かし切ることができる」「キューブリック監督が細部に至るまで完璧に作りあげた世界が、8Kの高精細な映像で、これまで以上に鮮明に見るものに迫る」としている。

世界中の多くの人間が未体験である8K版「2001年宇宙の旅」。歴史の証人となるべくぜひとも鑑賞し、ボーマンたちの旅に同行したいところだが、8Kに対応したアンテナ、テレビなどの受信設備が必須だ。「対応設備はないが、なんとしても見たい」というファンは諦めることなかれ、耳寄りの情報がある。12月1日の放送時には、全国のNHK放送局で受信公開される予定だという。各地の放送局へ足を運べば、8Kテレビで無料鑑賞することができる(事前申し込み不要)。
さらに一部の地方局では、より集客性の高い“駅”などでの受信公開を計画中とのこと。詳細は局に問い合わせるか、公式サイト(https://www.nhk.or.jp/shv/)に掲出される情報を確認してほしい。また、8Kテレビを扱う電器店などではデモ放送も予想されることから、当日は昔懐かしい街頭テレビの光景が見られるかもしれない。
なお11月23日の午前4時30分からは、8K化の舞台裏に迫ったメイキング番組がNHK総合で放送。レストア過程や一足先に鑑賞したゲストの感想、キューブリック監督こだわりのお宝映像も収めているというだけに、予習にはうってつけだ。
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