第12回田辺・弁慶映画祭グランプリは「チョンティチャ」、映画.com賞に品田誠監督作品
2018年11月12日 16:00

[映画.com ニュース] 第12回田辺・弁慶映画祭が11月9日から和歌山県田辺市の紀南文化会館で開催され、11日にコンペティション部門の各賞が発表された。今年は過去最高の165作品の応募があり、厳選された入選7作品の中から福田芽衣監督の「チョンティチャ」が弁慶グランプリを受賞。同作主演の長月凛が女優賞も受賞した。
同作は、ミャンマー人とタイ人のハーフとして日本に生まれた在日外国人の少女が、自分の生い立ちや居場所、名前、生活に違和感を覚えながらも、心に無駄な波風を立てぬように生きていこうと葛藤する様を描いた(40分)。福田監督独自の映像表現と長月の瑞々しい存在感により、自分探しをする16歳の少女の心情が見るものの心に刺さってくる。「まさかグランプリをもらえるとは思わなかった」と福田監督は喜び、長月はこの役を演じた思いと、田辺への感謝の言葉を述べた。
作家性を感じさせ、次代を担う新しい才能に授与する映画.com賞は、俳優としても活動する品田誠監督の「不感症になっていくこれからの僕らについて」に決定。同作は、ミュージシャンの青年が、あることをきっかけに地元に帰り、幼馴染みと再会した思い出の場所で過去と現在が交わっていくひと時を描いたドラマ(30分)。色彩やカメラ位置などの繊細な画面設計による映像美と、物語とリンクした印象的な音楽と歌詞、台詞で作品世界を構築し、ノスタルジックな感動を与える作品に品田監督は仕上げた。主演の池田大が音楽も手がけ、紗都希、福永マリカ、細川岳が共演している。

キネマイスター賞は石井達也監督の「すばらしき世界」で、主演の團悠哉が男優賞も受賞。観客賞は近藤啓介監督の「ウーマンウーマン」、TBSラジオ賞は野村奈央監督の「からっぽ」が受賞した。多くの新しい才能を輩出し、インディーズの登竜門として注目を集めている田辺・弁慶映画祭。今年も審査会議は白熱し、惜しくも受賞を逃した作品の監督、俳優らも今後の活躍が期待される。
また、今回特別審査員を務めた三島有紀子監督の「幼な子われらに生まれ」、同じく入江悠監督の「22年目の告白 私が殺人犯です」のほか、映画作家・原將人を追った金子遊監督のドキュメンタリー「映画になった男」などが招待・特別上映され、上映後に舞台挨拶。さらに、和歌山県田辺市を舞台に、映画祭関係者など地元の協力を得てこの夏撮影を行った柴田啓佑監督の初長編映画「あいが、そいで、こい」もお披露目され、主演の小川あん、柴田監督らも舞台挨拶に登壇し、それぞれ多くの観客が詰めかけた。なお、各受賞作品へは副賞としてテアトルシネマグループ劇場での上映権が与えられる。
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