瀬々敬久監督「菊とギロチン」乱闘シーンはぶっつけ本番「おまえら、戦え」
2018年11月2日 14:00

[映画.com ニュース] 瀬々敬久監督が11月1日、第31回東京国際映画祭「Japan Now」部門で「菊とギロチン」のTOHOシネマズ六本木ヒルズでの上映後に、主演の木竜麻生ともにティーチインを行った。
「企画自体は20歳過ぎから考えていて、いつかやりたいと思っていた」というこん身の一作。大正末期の関東大震災直後、日本全国で興行を行っていた女相撲の一座とアナキスト集団「ギロチン社」の青年たちが、混とんとした社会を力強く生き抜こうとする姿を描く3時間余の一大叙事詩だ。
製作に踏み切ったきっかけは、2011年の東日本大震災。「その後の個人情報保護法や、世界的には極右が台頭したりと、(閉そくした)時代の雰囲気の中で作るべきと思った。僕が映画を作りたいと思った時は、石井聰亙(現岳龍)監督らがインディーズで自由に作っていた気風の頃。それにあこがれていたし、映画は自由であるべきという初期衝動に忠実にやりたかった」と力説した。
オーディションで約300人の中から、主人公の新人力士・花菊役に抜てきされた木竜は、「相撲の稽古が大変でした。出演が決まった人からやっていたので長い人で3カ月、私も2カ月くらい、基礎から始めたので足がガクガクになり、指の皮もむけながらやっていました」と振り返る。それでも、「皆と稽古してご飯を食べて、洗濯物も一緒。一緒に生活をして闘っていけたのが大きかった」と客席で見守っていた共演陣に感謝した。
クライマックスの大乱闘シーンなどで用いたスローモーションの意図についての質問が出ると、瀬々監督は「あれは全部雨降らしでやりたかったんだけれど、ホースが3本しかなくて前半だけで無理だと分かった。どんどん時間もなくなっていくので、『おまえら、戦え』と言って段取りもなくぶっつけ本番でやった」と説明。さらに、「あれを普通のスピードで見ていると耐えられないからスローにした。映画ってそんなもん」とカミングアウトし、観客を驚かせていた。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
人生に迷ったとき、この映画が“効く”だろう。すべての瞬間が魂に突き刺さる体験が待っている
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
なんだこの天才的な映画は!?
【物語がめちゃくちゃ面白そう――】非常識なまでの“興奮と感動”を堪能あれ
提供:ディズニー
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ