行定勲監督、二階堂ふみの熱量受け止めた「リバーズ・エッジ」は「今をどう生き延びるかがテーマ」
2018年10月31日 21:45

[映画.com ニュース] 第31回東京国際映画祭の「Japan Now」部門で、行定勲監督が10月31日、「リバーズ・エッジ」のTOHOシネマズ六本木ヒルズでの上映後にトークショーを行った。
1993~94年に「CUTiE」で連載された岡崎京子さんの同名漫画が原作。行定監督も助監督だった20代前半の頃に読み、「自分自身に突き付けられたというか、DNAレベルで刷り込まれていた」というほどの衝撃を受けたという。
生きる意味を見いだせずに抑圧された日々を送る高校生たちが、川原に捨てられた死体という秘密を共有することで解き放たれていく異色の青春群像劇。原作が出版された当時は助監督で、「先輩の監督たちがこぞって映画にしたいと言っていた。僕は笑いながら、(心の中で)愚かだな、(原作を)超えられるはずがないじゃん、と思っていた」と振り返った。
20年以上を経てその役割が回ってきたが、きっかけは主演の二階堂ふみ。「彼女がやりたいと言って、僕にオファーがあったけれどイヤだった。漫画(の映画化)はやらないと公言していたけれど、彼女にそれを超える熱量が感じられた。映画人の先輩として断るのもどうかと思い、彼女の気持ちを受け止める形でスタートした」と明かした。

劇中にはストーリーとは別に二階堂をはじめ吉沢亮、SUMIREら出演者へのインタビュー映像を随所に挿入。「今を生きている俳優たちが、四半世紀近く前の原作の何に共鳴しているのかが知りたくてアドリブ的に始めた。彼らにはキャラクターだけやっていればいいわけではないと言っておいたし、抜き打ち的にやったから役者はずっとおびえていましたよ。群像にコラージュする形で意外とうまく入れ込めたと思う」と説明した。
撮影では原作の舞台である90年代を意識したそうで、「原作が出版された後に阪神大震災、地下鉄サリン事件があって、想像しない形で日常の中に死が入ってきた。その中で(撮影用の)死体と向き合った時に、20代では想像が及ばなかったものが50歳近くになって分かったような実感が持てた」と述懐。そして、「自分たちが今の時代をどう生き延びるかというのがテーマ。死を描いたのではなく、生を描くための対比として死体が横たわっている方が明確になった」と言葉に力を込めた。
第31回東京国際映画祭は、11月3日まで開催される。
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