「中毒性のある映画」高橋ヨシキ×中原昌也「アンダー・ザ・シルバーレイク」を語る
2018年10月24日 12:00

[映画.com ニュース] デビッド・ロバート・ミッチェル監督のサスペンススリラー「アンダー・ザ・シルバーレイク」の公開記念トークショーが10月23日、東京・新宿バルト9で行われ、デザイナー・ライター・サタニスト(悪魔主義者)として活躍する高橋ヨシキ氏と、音楽家・作家・映画評論家の中原昌也氏が作品を語った。
アンドリュー・ガーフィールド主演、セレブやアーティストたちが暮らすシルバーレイクを舞台に、消えた美女を探すうちに街の裏側に潜む陰謀を解明することになる青年サム(ガーフィールド)の暴走と迷走を描いた物語。
主人公サムについて高橋氏は「彼は何のマニアでもないし、何かを追求しているわけではない普通の人。そこが、ハリウッドを舞台にした映画とは異なる」と特徴を挙げ、「神話にとらわれておらずフラット。それはポストモダンが進んだということ。ファミコンとドローンが一緒に出てくるけど、それはかっこいいからやっているわけでもないし、それでも(主人公は)何もないと感じている」と分析する。
中原氏は「その空虚さがたまらない」と本作の根底にあるテーマを指摘し、「『インヒアレント・ヴァイス』と『ブルーベルベット』が下敷きになっているのかな思うけど、それがどうでもよくなっちゃう」「みんながつながっていなくて、分断されてる感じがいい。そういうところにリアリティがある」と感想を述べた。
映画のほか、音楽、アメリカ文化に造詣の深い二人ならではのコアな話題も盛り上がり、「映画の楽しみを広げてくれた」(中原)、「裏がない、正直な映画」(高橋)と評する。高橋が「中毒性があって2回目見た」と言えば、中原氏も「僕も3回見た」と明かし、ミッチェル監督の次回作への期待も語った。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった“1秒”で爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント