岡田准一、苦手なのにホラー映画に主演「台本が怖くて進まなかった」
2018年10月23日 12:48
[映画.com ニュース] 「第22回日本ホラー大賞」で大賞に輝いた澤村伊智氏の小説を映画化する「来る」の製作報告会が10月23日、東京・目黒区のウェスティンホテル東京で行われ、主演の岡田准一をはじめ共演の黒木華、小松菜奈、柴田理恵、妻夫木聡、企画・プロデュースの川村元気氏が出席した。
「告白」「渇き。」などで知られる異才・中島哲也監督の最新作で、正体不明の“あれ”に襲われる人々を描いたオカルトホラー。“あれ”を追うフリーライター・野崎役の岡田は、中島監督との初タッグに「中島監督を“味わう”現場だった」と短いが深い感慨を語り、「以前、実現しなかったこともあるので、『やっと』と嬉しかった」と頬を緩めた。
一方で、自身は「ホラーは苦手」と語り、怖さのあまり台本を読み進められなかったことを告白。「台本がメチャメチャ怖くて、時間がかかりましたね。完成度が高くて、怖くて進まなくて……。監督から『出てほしい』と手紙を頂いたのがよかった。中島監督じゃなかったら、ホラー苦手なので、もしかしたらやっていないかも」と苦笑いを浮かべた。役づくりで工夫したことを問われると「中島監督のビジョンが細かくあって。初めに会った時に、『ヒゲは6ミリ』と、ミリ数まで決まっていた」と明かし、「『現場にやばい人が来た』と思ってしまう(キャストの)扮装もたくさんありましたし、ビジョンを堪能しながら役づくりしていきました」と振り返っていた。
さらに岡田と、“あれ”に狙われるイクメンパパ・田原役の妻夫木は、今作で初めて本格共演。同い年なだけに、岡田が「2人だけがわかる、懐かしい言葉で話していた。『昔の土9みたいだよね』とか。土曜9時枠のドラマのような、超ハードスケジュールだったんです」と話せば、妻夫木も「(出演の)青木崇高も同い年。同い年3人でいるのは新鮮でしたね」とほほ笑む。しかし妻夫木には「いまだに気になっていること」があるそうで、「僕は岡田くんにはタメ口なんですけど、岡田くんは僕に敬語」とポツリ。これに岡田は「僕、年下にも敬語です」と釈明したが、「でも岡田くん、青木崇高にはタメ口なんです」と即座に論破されたため、「じゃあ、タメ口にしますか……?」と恐る恐る提案していた。
また野崎の恋人で、霊媒体質のキャバ嬢・真琴に扮した小松は、大抜てきとなった「渇き。」以来の中島組。「あれから4~5年経ったと思うと、早かった。オファーを受け、驚きと嬉しさと、『自分はどう変わっていられるのか、怖い』という思いがありました」と述懐し、「(役づくりでは)人生で初めて髪をショートにして、ピンクにして、眉毛も細くして。見た目が一気に変わったので、朝起きて自分で『誰?』とびっくりしました(笑)。全身タトゥーが入っているキャラので、朝早く現場に入って、4時間ほど施していましたね」と説明した。
撮影は中島監督の飽くなきこだわりのため過酷を極めたそうで、川村氏は「撮影期間が倍になった。2カ月と言っていたのに、4カ月撮っていました。恐怖しかなかった」と肩を震わせる。それでも「とんでもないものができる」と編集段階ながらも自信をみなぎらせ、「恐ろしいことが起きる映画ですが、どんでんもあります。監督のキャリアにおける“ベスト盤”とも言える豪華キャストが集まってくれているし、これまでの日本映画になかったパターンの映画。『告白』でもそう評されましたが、それ以上のインパクトで届けられる」と言葉を重ねていた。「来る」は、12月7日から全国で公開。
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