大杉漣さん、最後の主演作「教誨師」が封切り 佐向大監督や共演陣が思い出を明かす
2018年10月6日 15:00
[映画.com ニュース] 今年2月に急死した大杉漣さんの最初のプロデュース作にして、最後の主演作となった「教誨師」が10月6日、初日を迎え、玉置玲央、古舘寛治、光石研ら出演者、佐向大監督が東京・有楽町スバル座で舞台挨拶に立った。
「教誨師(きょうかいし)」とは受刑者の心の救済につとめ、改心できるように導く人のこと。半年前に教誨師になったプロテスタントの牧師・佐伯(大杉さん)が癖の強い6人の死刑囚と面会し、彼らの言葉に耳を傾けながら、生と死の間で苦悩する姿を描く。大杉さんは初めてエグゼクティブプロデューサーを務めた。
舞台挨拶では死刑囚役の6人が登壇。光石は「(テレビ東京系ドラマの)『バイプレーヤーズ』のパート1のときに(大杉さんから)『夏に映画をやるから出てよ』と言われ、中身も分からないまま『参加させてください』と言いました。送られたのはヤクザ役。1対1で(大杉さんに)対峙できることがものすごく魅力でした。胸を借りるつもりでやれたのはよかった」と振り返った。
古舘は「死刑囚の気持ちを想像するのは難しく、大変でした。正義のために正しいことをやったと思っている男の役だったので、意識してやりました」。紅一点で、関西弁でまくしたてる役の烏丸せつこは「矢継早に話さないといけないので。何度もNGを出しました。漣さんは聞き役だったので、楽そうでした」。「劇団柿食う客」のメンバーで、映画出演は初となる玉置は「最初は緊張しましたが、大杉さんが温かく迎えてくれたので、後は気にすることはなく、ものすごく居心地がよかったです」と振り返った。
ホームレス役で、劇団「青年劇場」で長らく在籍した五頭岳夫は「僕が劇団に入ったのは73年。大杉さんが『転形劇場』に入ったのは74年。僕がやめたのは88年。大杉さんと同じように演劇に引っ張っていただいた気がします」。佐向監督の同級生で、自主映画時代からの仲間、小川登は「(初めての商業映画で)戸惑い、緊張、恐怖、焦りがありました。よしやってやろうと思って演じましたが、公開が近づくにつれ、また違う怖さが出て、きょうに至る感じです。セリフが覚えられず、監督に怒られました」と話した。
佐向監督は「この映画は大杉さんをなくして、成立しなかった。人間と人間の格闘技みたいなやりとりを、言葉と役者さんの佇まいだけで表現できないかと思って、話を作り、3年前に大杉さんに話しました。現場では大杉さんは『遺作にするから』と冗談でおっしゃっていましたが、そんな話をして後悔しています。『教誨師』はパート2、3と続け、3部作にしたいとおっしゃっていました。本当にここに立つべき人がいないのは悔しいですが、大杉さんの役者としての覚悟がうかがえる作品を撮れることがうれしい。これからも頑張っていかなければいけない」と今後の活躍を誓った。
最後、登壇者は大杉さんの等身大パネルとともに記念撮影。満席で埋まった観客もスマホなどで撮影し、大杉さんの早すぎる死を惜しんでいた。
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