ジョニー・デップ、元弁護士との訴訟に勝訴
2018年9月6日 18:00
[映画.com ニュース] 資産管理を担当していたザ・マネージメント・グループ(TMG)社との資金不正利用をめぐる裁判に決着がついたばかりのジョニー・デップが、同じく金銭問題をめぐり係争中だった元弁護人ジェイク・ブルーム氏との裁判に勝訴した。米ハリウッド・レポーターが報じている。
デップは昨年10月、書面による正当な契約なしに多額の成功報酬を受け取ったとしてブルーム氏を起訴したが、同氏は1999年に交わした口頭契約は有効であり、法的サービスに対する報酬の支払いを拒否したデップの方が契約違反で裁かれるべきだとすかさず反訴。泥沼の争いに発展していた。
結果に応じて弁護士費用を支払う、いわゆる「成功報酬型」の契約を口頭で結ぶことは、ショウビズ界では決してめずらしくないが、出演交渉などの法的サービスに成功報酬の概念が当てはまるのか否かについては、曖昧なケースとして長年疑問視されてきた。
今回争点となったのは、成功報酬型の契約は書面でのみ有効であり、口頭による契約は法的拘束力を持たないと定める「カリフォルニア州企業・職業法6147条」だが、本件を担当する米ロサンゼルス高等裁判所のテリー・グリーン判事は8月28日(現地時間)、「この業界には、自分たちが別世界に生きていると勘違いしている人が多いようだが、法は法。ショウビズ界だからといって、特例は認められない」としてブルーム氏の主張を却下する裁定を下した。
今回の裁判でデップの弁護人を務めたアダム・ウォルドマン氏は閉廷後、同紙に寄せたコメントで、「ハリウッド一強大な法律事務所を相手に勝訴したことを、大変喜ばしく思っています。本日下された裁定は、デップ氏にとっての勝利であると同時に、長年タレントを食い物にしてきたショウビズ界の不文律には法的拘束力がなく、業界にかかわらず法律は遵守しなければならないということを、明確に示してくれました。ジョニー・デップは、ハリウッドの全てのアーティストらのために立ち上がり、見事勝利を手にしたのです。これを機に、ショウビズ界が悪しき慣習を改めていくことを願っています」と語った。
デップはブルーム氏に対し、これまで支払った弁護士費用を全額返金するよう求めているが、ブルーム氏側は来年5月6日に予定されている本公判に向け、早速上訴する構えを見せている。