注目俳優・萩原利久が「未完成映画予告編大賞」グランプリ「高崎グラフィティ。」に寄せた思い
2018年8月24日 08:00
[映画.com ニュース] 堤幸彦、大根仁ら気鋭の映画監督を輩出してきた映像制作会社オフィスクレッシェンドが、次代を担うクリエイターの発掘と育成を目的に設立した映像コンテスト「未完成映画予告編大賞」の第1回グランプリ受賞作「高崎グラフィティ。」で、メインキャラクターのひとりを演じた萩原利久が、映画.comのインタビューに応じた。
群馬県高崎市を舞台に、高校の卒業式を終えたばかりの男女5人がひょんなことから行動を共にし、それぞれが抱える本心をぶつけ合うことで真の友情で結ばれていくさまを追う青春ストーリー。萩原は主人公・美紀(佐藤玲)にひかれながらも、学校生活そのものと距離を置いてきた寡黙な優斗を演じる。
萩原は「優斗はスカしてますよね。僕はしゃべるタイプだし、あんなにスカせないです。恥ずかしくなっちゃうんで、カッコつけると(笑)」と、自身との共通点が少なかったとはにかむが、「(川島直人)監督に言われたんですけど……」と、ある1つのことが、役作りの大きなポイントとなったと明かす。それは、9歳で子役としてデビューし、さまざまな映画・ドラマ出演を経て「俳優として生きていく」と決断したことと無縁ではなかった。「僕自身は、高校生のときにはもう俳優活動をしていたので、学校以外の世界や仕事の楽しさみたいなものを感じていたんです。仕事は仕事で楽しんで、学校は学校で楽しむ、みたいな区別も付けていましたし。優斗も、学校の外で可愛がってくれるちょっと悪い先輩がいて、遊ぶのはそっちとの方が楽しいし、でも学校は学校でそれなりに……みたいな。僕自身の中にあるこの感覚が、たぶん優斗の中にあるもので一番近い感覚だったと思います。そこから優斗という役を広げていけたのが良かったと思います」。
物語は、専門学校の入学金を手にしたまま父親(渋川清彦)が行方不明になってしまった美紀が、親友の寛子(岡野真也)、優斗、お調子者の直樹(中島広稀)、秀才の康太(三河悠冴)らクラスメートと成り行きで卒業パーティを抜け出してしまったことから動き出す。萩原は「自分たち5人が、『探す』っていう映画の大きなテーマを始める大事なシーンだし、僕自身でも印象に残っているシーン」として、夜明けの河原でそろって「花火」と称して発煙筒に火をつけるシーンを挙げる。
「明け方の日の光の時間が極端に短かったので、長回しで全部行こうという感じでしたから、大変でした。寒さと眠さに大分やられてたんですけど、始まると難しいけど本当にやりがいがあって」と振り返るシーンは、手持ちカメラのワンカットで撮影され、ライブ感があふれている。「脚本の読み合わせが終わった段階から、監督には『とにかく5人は仲良くなって』と言われていました。コミュニケーションを取るための時間も設けてもらっていましたし、確かに5人の関係性は、撮影前からちゃんと作れていたのかなって思います」。
言いたいことを言い出せず、その場の空気に合わせてなんとなくやり過ごしてきた主人公たちの日々は、違う世代の者でも「うんうん」とうなずいてしまうはずだ。萩原は「『高校生』って、大半の方が通ってこられたもので、必ず、この5人の誰かのどこかに共感できるポイントがあると思います。『懐かしい』と感じる方もいれば、『こんな気持ちもあるのか』と思う方もいるでしょうけど、絶対に楽しんでもらえる5人になっていると思いますので、幅広くたくさんの方に見ていただきたいです」と期待を語った。
「高崎グラフィティ。」は高崎で先行公開中。8月25日から全国順次公開。
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
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