所属日本人アニメーターが明かすピクサー流映画作りと「インクレディブル・ファミリー」製作の舞台裏

2018年8月17日 13:00


帰国時には講演やワークショップを手掛け 後進の育成にも尽力
帰国時には講演やワークショップを手掛け 後進の育成にも尽力

[映画.com ニュース] ヒーロー家族の活躍と日常を描き、全米アニメーション史上歴代No.1ヒットのみならず、全世界でヒットを記録している「インクレディブル・ファミリー」(公開中)。ドリームワークス・アニメーションに約8年在籍したのちピクサーに移籍し、「アーロと少年」「ファインディング・ドリー」「カーズ クロスロード」「リメンバー・ミー」、そして今作に携わった日本人アニメーター、原島朋幸に製作の裏側を聞いた。

3DCGアニメーションにおける「アニメーター」という職種を、原島は「表に出ない俳優」と表現する。コンピューターの中に存在する3Dモデル(キャラクター)に動きや表情を付け、「キャラクターが自分で呼吸をして、本当にびっくりしたようなリアクションをする。キャラクターが“リアクションさせられている”ように見えちゃうと、アニメーターとしては失敗。キャラクターが自分で考えて、自分で息をして、自分で何かに気づいて動いているように“命を吹き込む”のが、アニメーターの仕事です」と言う。「『アニメート』という言葉を日本語訳をすると、『命を吹き込む』という意味なんです」。

映画や絵に興味はありつつも、元は理系。エンジニアとして働いていた際に「ジュラシック・パーク」と出合ってCGによって映画製作に関わることができると知り、のちに渡米して本格的にアニメーターを志すことになる。「そのときにアニメーションを教わっていたのが、公開されたばかりの『Mr.インクレディブル』に関わっていたピクサーのアニメーター。自分もすごく関わりたいと思った作品の最新作でしたから、今回は本当に念願の作品。すごく興奮しました」と振り返る。

担当したシーンは、念願でもあったというフロゾンのスケーティングシーンや、一家が協力者から提供された豪邸に入ってきて、内部の設備に大慌てするシーンなど。「アニメーションの(基本的な)技術としては、そんなに以前の作品と変わっていないんですが、映像のクオリティがすごくなっていると思います。ライティングや衣服の質感ですとか。フロゾンのアイスも前作と今回の作品を見比べる機会があればいいんですけど、もう全然リアルさが違います。キャラクターたちが映っていなかったら、本物の世界にしか見えません」と、CGの技術的な見どころを挙げた。

「自分も共感したんですが、ヒーローものなんだけど、普通の家族を描いているんですよね。だから世界中の皆さんも共感してくれるんだと思います」とヒットの理由を挙げる原島。「映画はビジネスですから、興行収入は当然必要なんですけど、でもピクサーの場合は『作りたいもの』が明確にあって初めて、映画製作に取りかかるんです」と、ピクサーならでは作品作りに言及する。

「例えば今回のブラッド・バード監督にしても、最新作ができたのは、彼に作る準備ができたから。『パート2はいつできるの?』ってずっと期待されていたのに、やらなかったのはきっと他に作りたいものがあったからでしょう」と明かし、「満を持して、本当にやりたいもの、それこそビジネスではなくてクリエイティブ、本当にいいものを作りたいと思うから、たとえスケジュールが厳しかったとしても努力を惜しまない。その気持ちがみんなの中で一本筋が通ってるんです。それがピクサーの制作スタイルだと思います」と語った。

自分が担当するパートに集中するのがアニメーターだけに、完成した作品を見て「驚きました」と明かす原島。「ネタバレはしたくないので細かくは言えないですが」と前置きし、「もちろんヒーローのアクションもすごいんですけど、やっぱり監督の手腕ですよね……家族のドラマとのバランスが絶妙なんです。絶対に期待を裏切らない作品なので、ぜひ見ていただきたいです」と力を込めた。

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