湊かなえの“イヤミス”「ポイズンドーター・ホーリーマザー」WOWOWでドラマ化決定
2018年8月8日 07:00
[映画.com ニュース] デビュー10週年を迎える人気作家・湊かなえ氏の短編小説集「ポイズンドーター・ホーリーマザー」が、WOWOWで連続ドラマ化されることが決定した。映画「バースデーカード」などの吉田康弘監督が演出を務め、第155回直木賞の候補にもなった“イヤミス(後味の悪いミステリー)”の映像化に挑む。
表題の「ポイズンドーター・ホーリーマザー」は、母と娘の苛烈な関係性を描き出す。女優・藤吉弓香は、自分を思うようにコントロールしようとする母・佳香に、幼少期から悩まされてきた。“毒親”とも言える佳香に反発して上京を決意する弓香だが、その束縛から解放されたわけではなかった。佳香が秘密裏に動いたことで、恋人や仕事を失っていた弓香は、母の愚行をテレビ番組で告発し、それは大きな反響を呼んだ。一方で佳香を知る周囲の人々から見れば、彼女は決して毒親ではなく、子ども思いの良き母親だった。
ほか、短編集に収録されている「優しい人」「罪深き女」「マイディアレスト」「ベストフレンド」も映像化。吉田監督は「本作は、昨今のわかりやすい勧善懲悪なドラマとは一線を画す、インテリジェンスを備えた大人向けのドラマになると予感しております」としたうえで、「原作にある強い毒気と鋭い社会風刺を存分に活かしながら、人間の多様性や複雑で曖昧な感情を、俳優部の皆さんとセッションしながら紡ぎ出し、血肉の通った骨太なドラマに仕立てたいと思います」と意気込む。そして「ひとたび触れれば絡めとられるような、人間の業を深く抉る快作を目指し、スタッフ一同力を合わせて邁進します」と明かし、「どうぞ完成を期待して待っていて下さい」と視聴者に呼びかけた。
「連続ドラマW ポイズンドーター・ホーリーマザー」が、WOWOWプライムで放送予定。