ロシアで上映禁止!異色ブラックコメディ「スターリンの葬送狂騒曲」予告編公開
2018年6月15日 10:00

[映画.com ニュース] ソビエト連邦の最高指導者ヨシフ・スターリンの死を風刺した内容から、ロシア政府が映画館での上映を禁止したブラックコメディ「スターリンの葬送狂騒曲」の予告編が公開された。
「驚くことに、ほとんどが事実」といわれるフランスのベストセラーを、エミー賞受賞とアカデミー賞ノミネートの経験を持ち、テレビシリーズ「官僚天国 今日もツジツマ合わせマス」など政治風刺作品に定評のあるアーマンド・イアヌッチが監督・脚本を手掛けて映画化。「粛清」という恐怖で国を支配していたソ連の絶対的独裁者スターリンが急死した1953年を舞台に、「うまく立ち回れば、自分が後釜に!」という欲に駆られた側近たちが、権力闘争を繰り広げるさまが描かれる。
公開された予告編では、冒頭、「世界を恐怖に陥れた男」としてスターリンの冷酷な行いを紹介。だが、スターリンが急死するや、映像は一気にコミカルなトーンへと変化し、こびへつらっていた側近たちが手の平を返し、“狂気のイス獲りゲーム”に参戦していく姿が映し出される。威厳ゼロの第一書記フルシチョフ、冷酷非情の秘密警察長ベリヤ、頼りない副官マレンコフ、武闘派陸軍長ジューコフらクセモノたちが、互いをけん制し、おちょくり合う姿がたたみ掛けられ、「ダマし、裏切り、殺し合う──最後に笑うのはいったい誰だ?」というナレーションが、卑劣で残忍なのにおかしくて引き込まれてしまう、ブラックユーモアに満ちた物語への期待をあおり立てている。
フルシチョフやマレンコフなど実在の人物を演じるのは、スティーブ・ブシェミやジェフリー・タンバーら個性派俳優陣。昨年10月に公開されたイギリスではスマッシュヒットを記録し、エンパイア誌の「2017年のベスト映画10本」で第5位にランクイン。映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、96%の高スコアを獲得している(18年6月14日現在)。
「スターリンの葬送狂騒曲」は8月3日から全国順次公開。
(C)2017 MITICO - MAIN JOURNEY - GAUMONT - FRANCE 3 CINEMA - AFPI - PANACHE -PRODUCTIONS - LA CIE CINEMATOGRAPHIQUE - DEATH OF STALIN THE FILM LTD
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