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硬軟自在の演技派・榮倉奈々&安田顕が紡いだ夫婦の肖像

2018年6月10日 09:00

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榮倉奈々と安田顕
榮倉奈々と安田顕

[映画.com ニュース] 「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」――突飛ともいえる行動をとり続ける妻と、しゅん巡しながらも理解しようとする夫。が奏「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」――突飛ともいえる行動をとり続ける妻と、しゅん巡しながらも理解しようとする夫。榮倉奈々安田顕が奏でる夫婦の営みは不可解だがほほ笑ましく、ちょっぴりすれ違っているところですら愛らしい。

なんといっても榮倉扮するちえの“死にざま”が見事だ。安田演じるじゅんもたじたじとなる、死んだふりの波状攻撃。その意図を明確に示すことはないが、ちえの心情には理解を示しあこがれも抱く。

「身近にあまりいない、私生活で出会ったら変わっているなと思ってしまうかもしれません。つかみどころのない不思議な人かと思いきや、旦那さんを大事にしたいという思いを貫ける芯の強い人だと思う。今はSNSなど簡単なやり取りで一瞬で終わっちゃうところを、とても丁寧に言葉以外のもので伝えようとしている姿が美しくてけなげです。小さな手間を丁寧にできるのが素敵で、愛にあふれているなと思います」

バツイチのじゅんは前妻と結婚3年目で別れたため、ちえとは3年たったら結婚生活を続けるかどうか確認するという約束を交わしている。その節目が近づいた矢先の不穏な出来事。時には妻に合わせて寸劇も披露するが、あくまで自然体で演じることを意識した。

「全部で60シーンあったら、その中の10シーン、ひょっとしたら2シーンというお仕事をありがたいことにいただくので、作品に100%沿う形でなにがしかのものを出していく役者根性も出たりしますが、こういう番手(主演)に慣れていないものですから、普通にやるのが一番だと思いました。監督のご指示に従って『はい、分かりました』と言ってやった気がします」

ちえはさりげなくヒントを出しているのだが、心情を推し量れないじゅんは焦るばかり。迫る3年の分水嶺。そこで、安田の結婚3年目はどうだったのかが気になった。

「忘れましたね…ああ、そうだ。子どもが生まれました。だから禁煙するぞと言って、1~2時間で2箱くらいをスパスパ吸ってしまいました」

対する榮倉は、初めて妻を演じることに興味を抱き、自身の成長も実感した。

「夫婦を題材にした作品が初めてだったので、なんだか成人した気分になりました(笑)。これからの人生を積み重ねていくのが楽しみになるような映画です」

安田も、ちえとじゅんがたどってきた道程に思いをはせる。じゅんの後輩、上司、ちえがパートに出るクリーニング店主ら、どの世代の既婚者にも当てはまるさまざまな夫婦の愛の形を見せながら、2人の距離を徐々に近づけていく構成も心憎い。

「今振り返れば、この夫婦の関係にはたくさんの偶然の積み重ねがあったんだろうなと思います。それで、上がりが作品として良かったから、本当に良かったと思っているんですよ。それが一番じゃないかな」
でる夫婦の営みは不可解だがほほ笑ましく、ちょっぴりすれ違っているところですら愛らしい。

なんといっても榮倉扮するちえの“死にざま”が見事だ。安田演じるじゅんもたじたじとなる、死んだふりの波状攻撃。その意図を明確に示すことはないが、ちえの心情には理解を示しあこがれも抱く。

「身近にあまりいない、私生活で出会ったら変わっているなと思ってしまうかもしれません。つかみどころのない不思議な人かと思いきや、旦那さんを大事にしたいという思いを貫ける芯の強い人だと思う。今はSNSなど簡単なやり取りで一瞬で終わっちゃうところを、とても丁寧に言葉以外のもので伝えようとしている姿が美しくてけなげです。小さな手間を丁寧にできるのが素敵で、愛にあふれているなと思います」

バツイチのじゅんは前妻と結婚3年目で別れたため、ちえとは3年たったら結婚生活を続けるかどうか確認するという約束を交わしている。その節目が近づいた矢先の不穏な出来事。時には妻に合わせて寸劇も披露するが、あくまで自然体で演じることを意識した。

「全部で60シーンあったら、その中の10シーン、ひょっとしたら2シーンというお仕事をありがたいことにいただくので、作品に100%沿う形でなにがしかのものを出していく役者根性も出たりしますが、こういう番手(主演)に慣れていないものですから、普通にやるのが一番だと思いました。監督のご指示に従って『はい、分かりました』と言ってやった気がします」

ちえはさりげなくヒントを出しているのだが、心情を推し量れないじゅんは焦るばかり。迫る3年の分水嶺。そこで、安田の結婚3年目はどうだったのかが気になった。

「忘れましたね…ああ、そうだ。子どもが生まれました。だから禁煙するぞと言って、1~2時間で2箱くらいをスパスパ吸ってしまいました」

対する榮倉は、初めて妻を演じることに興味を抱き、自身の成長も実感した。

「夫婦を題材にした作品が初めてだったので、なんだか成人した気分になりました(笑)。これからの人生を積み重ねていくのが楽しみになるような映画です」

安田も、ちえとじゅんがたどってきた道程に思いをはせる。じゅんの後輩、上司、ちえがパートに出るクリーニング店主ら、どの世代の既婚者にも当てはまるさまざまな夫婦の愛の形を見せながら、2人の距離を徐々に近づけていく構成も心憎い。

「今振り返れば、この夫婦の関係にはたくさんの偶然の積み重ねがあったんだろうなと思います。それで、上がりが作品として良かったから、本当に良かったと思っているんですよ。それが一番じゃないかな」

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