「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」監督、ハリウッドの男女ギャラ格差は「良くなっている」
2018年6月1日 08:00

[映画.com ニュース] エマ・ストーンとスティーブ・カレルが共演した映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」のティーチインイベントが5月31日、東京・渋谷のユーロライブで行われ、来日中のバレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン両監督が出席した。夫婦でもある2人が、米ハリウッドでの男女格差の現状や、平等な社会を実現するために必要な心構えなどを語った。
「リトル・ミス・サンシャイン」「ルビー・スパークス」を手がけた両監督がメガホンをとった今作。1973年に世界的な注目を集めた「テニスの男女対抗試合」を題材に、29歳・現役世界チャンピオンの女性テニス選手ビリー・ジーン・キング(ストーン)と、元チャンピオンである55歳の男性選手ボビー・リッグス(カレル)の対決を描く。
映画は、ビリー・ジーンが「男子選手と女子選手の賞金格差を是正しよう」と奮起するところから始まる。昨今はハリウッドでも男女のギャラ格差が問題となったが、ファリス監督は「(状況は)少しは良くなってきている気がします。私たちの映画では、主演2人の出演料は同じです」と話す。一方で「長編映画の監督は、まだまだ女性の比率が低い」としたうえで、「まだまだ戦いを続けていかなくては。ビリー・ジーンは色んな意味での公平さを目指して戦っていたので、ぜひそういうことを映画から感じてほしい」と呼びかけた。
さらに、両監督が「今作はドナルド・トランプVSヒラリー・クリントンのメタファーである」と語っていたことについて問われると、デイトン監督は「この映画を製作し始めたのは大統領選の前でした」と切り出す。「ヒラリーは候補になっていて、相手はまだ決まっていなかったが、男だろうと予想できた。そしてアメリカ中のほとんどが『ヒラリーが勝つだろう』と思っていて、私たちも『この映画で祝福しよう』と考えていました」と振り返り、「しかし、結果を見てショックを受けたし、最初のプランとは全く違ってしまった」と苦笑を浮かべた。
「今後、男性と女性が格差をめぐって戦う映画は増えるか?」と聞かれると、ファリス監督は「現在、緊張感が高まって、怒りも出てきています。“Me Too”のように、いろんな女性の体験が語られ、そういう映画が作られるかもしれない。ハーベイ・ワインスタインの映画もできるかもしれない」と見解を述べ、デイトン監督は「今作は、『男女の戦い』だけではありません。『男女はお互いが必要なんだ』、そういうところが重要だと思っています」と打ち明ける。そして日本の観客に向け、「この映画の舞台は45年前で、現在はかなり進歩してきたかもと思っていたが、ここ1年半を見ているとあまり進歩していない。男女平等は、今すぐ意識改革をしていかないといけない。」(ファリス監督)、「希望と信念をもつ各々から、改革は始まります。人に優しくする、忠実になることが重要です」(デイトン監督)と訴えていた。
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は、7月6日から東京・TOHOシネマズシャンテほか全国で順次公開。
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