大泉洋、憧れの山田洋次と初タッグ!ドラマ「あにいもうと」出演に「頑張ってきたご褒美」
2018年5月8日 05:00
[映画.com ニュース] 室生犀星氏が1934年に発表した小説「あにいもうと」がTBSで新たにドラマ化され、大泉洋と宮崎あおいが出演することがわかった。2人は兄妹役でドラマ初共演を果たすほか、脚本は「男はつらいよ」シリーズなどの山田洋次が執筆し、プロデューサーを「渡る世間は鬼ばかり」で知られる石井ふく子氏が務める。
5月7日に同局で制作会見が行われ、大泉、宮崎、山田、石井氏が出席した。兄・赤座伊之助役の大泉は、憧れの山田との初タッグにすっかり舞い上がっている様子。「私はよくモノマネをしますが、人生初のモノマネが(『男はつらいよ』の)寅さん。4、5歳で親に『そうだろ、さくら』と言ったらしい。変な子どもだった」と振り返り、「山田洋次さんが書かれた脚本は、僕らの世代にはたまらない。読んでも、寅さんがいるようにしか思えず、興奮しました。妹や家族への愛がたっぷり詰まっている上に、コメディもこれでもか、というくらいある。ここまで頑張ってきた、ご褒美のような役でした」とまくしたてた。
妹・桃子役の宮崎も「脚本を読んで、役が大好きになった。それは自分の中でとても重要なこと」と明かす。大型トラックの運転手という役どころなだけに、大型自動車運転免許も取得したそうで、「運転席に座ったこともなかったですし、あの高さから見ている桃子を知りたい、という思いもあり、クランクインの1カ月前から教習所に通いました。自分にとって大事な時間でした」と充実の面持ちだ。
さらに、2人の配役理由を聞かれた山田は「当代きっての大スター」と述べる。これに苦笑いを浮かべた大泉は「山田洋次さんの現場は怖いという話を聞いておりまして……。オファーを受けたときには、もちろん断るという選択肢はないですが、臆病者ですから、山田洋次さんと石井ふく子さん、内心『やばいな』。今回は山田さんは脚本ですから、現場に来なければ良いなと。でも結果、お越しになられました。なんなら本読みからいらっしゃった。とんでもない緊張で、汗だくでした」と及び腰だったが、「でもあんなに充実した本読みは、経験したことがないくらい。撮影中も母に電話して『今こういう現場でね』と報告しましたから」と感慨深げに明かす。会見中の大泉はことあるごとに山田と談笑し、山田も大泉のコメントに大笑いする姿がたびたび見られた。
物語は、下町で本能的に生きる赤座家を舞台に、兄・伊之助と妹・桃子の狂おしいほどの愛を通じ、時代とともに移り変わる“家族”の姿を描き出す。1972年にも山田が脚本、石井氏がプロデューサーを務めたほか、渥美清、倍賞千恵子ら「男はつらいよ」シリーズのキャストをそろえてドラマ化されている。40年以上の時を経て2度目の同作に挑むにあたり、山田は「この小説が好きで、何度も読んだ。兄の妹への過剰な愛情は、寅さんのさくらへの感情に移行されている、というかな。この物語は、寅さんの原型と言っても良いわけだ」と思い入れを告白していた。
なお石井氏と山田のタッグは、1988年のTBS「くもりのちハーレー」以来、約30年ぶり20回目。ドラマ「あにいもうと」は、6月25日の午後8時にTBS系で放送。