舘ひろし、ダメ夫役に手応えも自負「格好悪くするのが大変だった」
2018年4月9日 22:10
定年後の生き方が見いだせずに悩む元エリート銀行員に扮した舘は、「ネガティブなタイトルなので、この仕事を受けて良いのか迷った」と苦笑い。ただ、内館牧子さんの原作の映画化は「義務と演技」(1997)に出演したことがあり、「脚本を読んだら、本当に面白く仕上がっていたから、勇気を持って飛び込んだ」と語った。
中田秀夫監督からは「だらしなく、ださくと言われて、衣装合わせでも格好悪いスーツを選ぼうとしたけれど、割とどんなスーツでも似合っちゃうから大変だった」と自尊心もチラリ。それでも、「みっともない自分になっていくのが楽しかった。小芝居というかアドリブの芝居をさせてくれたので、笑っていただけると思う」と満足げに撮影を振り返った。
一方の黒木は、中田監督とは「仄暗い水の底から」、「怪談」に続く3度目のタッグで「タイトルを聞いただけで、これはギャグだと思って楽しい映画になりそうな気がした」とノリノリ。夫を優しく見守りながらも、時に厳しい言葉を投げる妻役で「役の気持ちがすごくよく理解できたし、いろいろとしでかす夫なので、あなたはもっと輝いていてという気持ちで臨んでいました」と明かした。
観賞前の客席からの質問も受け付け、黒木ファンという入行6年目の女性銀行員の「モチベーションの上げ方を教えて」という質問には、黒木が「ストレスはその日のうちに置いていく。あとは飲んで寝る、くらいかな」とアドバイス。舘は「ありません。流されていくしかない」と素っ気なかったが、しばし考えた後に「素敵な恋をしなさい」と持ち前のダンディさでエールを送っていた。
「終わった人」は、定年を迎え趣味なし、夢なし、我が家に居場所なしとなったサラリーマンの悲哀を、家族との関わりを絡めて描くコメディ。6月9日から全国で公開される。
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