来日中の「ヴァレリアン」リュック・ベッソン、想像力の源は?
2018年3月15日 16:00
[映画.com ニュース]来日中のリュック・ベッソン監督が、3月15日に都内で行われたトークイベントに出席。最新作「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」の裏話を語った。会場には、ベッソン監督の姪(めい)で歌手のアレクシアン・シラも登場し、劇中歌「A Million on My Soul」を熱唱した。
本作は、ベッソン監督が幼少期から読んでいたというコミックを原作としている。ベッソン監督は、「少年の頃は地方に住んでいて、継父がテレビを置かない主義だったんだ。だから、当時の僕にとってバンド・デシネ(フランス版コミック)やコミックはテレビの代わりだった。むしろテレビより良かったよ。時間も空間も超えられるし、いろんなエイリアンにも会えるからね(笑)」とコミック愛を語り、「ヴァレリアン」について「当時の連載が『ピロット』という雑誌で、週1回2ページだけだったんだ。だから毎週(続きが気になって)忍耐を強いられたけれど、次号を待つ間に展開や使われる色彩を想像していて、そこで脳が鍛えられたよ」と自身の想像力の源を明かしていた。
シラによる「A Million on My Soul」のほか、オープニングにはデビッド・ボウイの名曲「スペース・オディティ」が流れ、さらに「シェイプ・オブ・ウォーター」でオスカーに輝いた名作曲家アレクサンドル・デスプラが音楽を担当。ベッソン監督は、「本作の脚本を執筆していたとき、車の運転中に『スペース・オディティ』がかかったんだ。僕は映画のシーンが頭に思い浮かんでいるから、『オープニングシーンにピッタリじゃないか』と思ったんだよ。ボウイとは付き合いが長くて、『アーサーとミニモイの不思議な国』でも声優をお願いしたんだ。天国の大きな劇場で『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』を3Dで見ているって聞いたよ(笑)」と茶目っ気たっぷりに語った。
デイン・デハーンやカーラ・デルビーニュといった若手スターからクライブ・オーウェンやイーサン・ホークといった演技派まで多数集結した本作において、目を引くのは「ブレードランナー」のルトガー・ハウアーの参戦。ベッソン監督は、ハウアーの起用について「『ブレードランナー』の大ファンだからお願いしたかったんだ。今回は(レプリカントではなく)人間として登場したら面白いじゃないかと思って」と明かし、会場を和ませていた。
「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」は、西暦2740年、宇宙の平和を守る連邦捜査官コンビが、銀河の危機を救うために大冒険を繰り広げるさまを描く。3月30日から全国公開。