松坂桃李「娼年」は「自分史上最も入り口と出口が違う作品」
2018年3月13日 12:00
[映画.com ニュース] 第126回直木賞候補となった石田衣良氏の小説を、松坂桃李主演、三浦大輔監督で2016年の舞台に続き映画化した「娼年」の完成披露イベントが、3月12日に東京・TOHOシネマズ新宿で開催。松坂、三浦監督に加えて真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、西岡徳馬、江波杏子といった出演陣が勢ぞろいした。
無気力な毎日を送っていた大学生・森中領(松坂)は、女性専用コールクラブのオーナー、御堂静香(真飛)に見いだされ、“娼夫リョウ”として働くことに。領は、さまざまな“客”と接するうち、女性1人ひとりの中に隠されている欲望の本質に気づき、自らの心も解放させていく。
ずらりと並んだ共演陣を前に、松坂は「舞台のときから、『この作品に何かあったら責任を割り勘しよう』と三浦さんと話していたんですが、このメンバーだったら、僕に怖いものはない!」と力強く断言。共演陣に厚い信頼を寄せつつも、「撮影はきつかったですね……。『明日休みになんないかな、三浦さん風邪ひいて寝込まないかな』と思っていました(笑)」と明かしていた。
松坂との共演シーンが多かった真飛も、「今日が何曜日か、何日かわからなくなるくらい撮影しっぱなしだった」とタフな撮影現場を回想。最年長となり、舞台版に続いて松坂としのぎを削った江波は、「苦しい現場というのは、絶対いい作品になっている」と手ごたえをにじませていた。
一方、領のターニングポイントとなる場面で登場する咲良役の冨手は、「映画と共に領くんが変わっていった」と松坂の演技力に圧倒されたといい、「こんなにタフな撮影だったのに、バナナしか食べているところを見ていない」と松坂の胆力を絶賛。風変わりな性癖を持つイツキ役の馬淵は「待ち時間でも、ベンチコートを一切着ようとしなかった。すごくストイックな方」と松坂をたたえた。西岡と夫婦役を演じた佐々木は、松坂との共演を振り返り「楽しくセックスさせていただきました」とほほ笑んだ。
女優陣からの称賛の声にはにかんでいた松坂だが、締めの挨拶では引き締まった表情で「僕がこれまで出演してきた作品で、これほど入り口と出口が違う作品はない。最初は面食らうかもしれませんが、劇場を出るときにはきっと軽やかな気持ちになっていると思います」と熱く語りかけ、観客から拍手を浴びていた。
「娼年」は、4月6日から全国公開。R18+指定。