町山智浩「デトロイト」が暴いた“米国の闇”を称賛
2018年1月29日 14:00

[映画.com ニュース] 「ハート・ロッカー」で女性初のアカデミー賞監督賞に輝いたキャスリン・ビグローが、黒人差別に端を発した1967年の暴動と、その渦中で巻き起こった「アルジェ・モーテル事件」を映画化した「デトロイト」(公開中)の公開記念イベントが1月28日、東京・有楽町のTOHOシネマズシャンテで開催。米在住の映画評論家、町山智浩氏が出席した。
5日間で死亡者43人、負傷者1100人以上を出し、逮捕者は約7000人にも及んだデトロイト暴動3日目の夜。銃声があったと通報を受け、デトロイト市警察をはじめ、ミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵が、アルジェ・モーテルで銃の捜索を開始する。しかし、銃が発見できないいら立ちから、数人の警官が捜査手順を無視し、宿泊客を不当に尋問し自白を強制し始める。
殺人を犯した警官たちが結果的に無罪だった点に、町山氏は「裁判が不当に行われたから。計画的な謀殺である第一級殺人として、罪に問われたため、有罪を成立させることが難しかった」と解説。さらに「陪審員が全員白人だった」と付け加え、映画が描く悲劇とはかけ離れた“警官による正当防衛”という結論に至った経緯を説明した。
実話を基に骨太かつスリリングな作品を撮り続けるビグロー監督の姿勢については、「この作品は、過去の事件を描くだけではなく、今もアメリカを分断する警官による黒人殺害をどう止めるべきかという問題提起であり、メッセージ」と称賛。スマートフォンの動画などの証拠があるにもかかわらず、現在も黒人を殺害した警官のうち「有罪になるのは、わずか1%」だといい、「暴力事件が減少しているのに、警官による黒人殺害は減っていない」と指摘した。
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