「バンコクナイツ」の裏側に迫ったドキュメンタリーが封切り! 編集作業は身もだえの連続?
2017年12月16日 17:30
[映画.com ニュース] 第69回ロカルノ国際映画祭で若手審査員・最優秀作品賞を受賞した「バンコクナイツ」の製作過程を追ったドキュメンタリー「映画 潜行一千里」が12月16日、東京・新宿K's cinemaで封切られ、向山正洋監督、映像制作集団「空族」の富田克也監督と相澤虎之助、俳優の川瀬陽太が初日舞台挨拶に登壇した。
「サウダーヂ」(11)などで知られる映像制作集団「空族」の富田監督&脚本・相澤が、構想に約10年をかけて完成させた「バンコクナイツ」。“娼婦・楽園・植民地”がテーマで、タイ東北部のイサーン地方やバンコクの日本人専門繁華街タニヤ通りを舞台に、そこを訪れる日本人たちとタイ人女性たちが織り成す“失われた桃源郷を探す”物語を描いた。同作に撮影・照明で参加した向山監督が、その製作過程を追った本ドキュメンタリーは、タイ、ラオスを縦断した一千里(約4000キロ)のオールロケに迫る。
ロケハンと「バンコクナイツ」の撮影現場、YCAM(山口情報芸術センター)による新作インスタレーションをとらえた計4回の映像を使用して作品を構築した向山監督。公開初日を迎えた感想を求められると「編集している時は話したいエピソードがいっぱいあったんですけど、今は言葉もないですね。編集作業も後半になってくると“言葉じゃない世界”に入ってしまった」と胸中を吐露。「川瀬さんに限って言うと、本当に映画人だなと思わされました。率先して一番辛いこと、皆が気づかないことなど、映画作りがスムーズになるようなことをしてくれた」と語り、本編に多く映っている点は必然だったと明かしていた。
相澤は「『バンコクナイツ』本編ではあまり触れられていない龍神パヤナークのことが、この映画ではきちんと語られている。皆にもっと知ってほしいという思いがあった」と本作の魅力を説明。「正洋は編集しながら身もだえしていた」と述懐した富田監督は、「つまり『バンコクナイツ』をつくることについての反省点が客観的にどんどん出てきたんです。僕たちにとってはその点は大きかった。(クラウドファンディングの特典である)10時間版を全員で見直した方がいいという意見もありましたね」と裏話を披露。そして「僕たちも5年に1回の頻度でしか映画を作ってこなかったから、毎回『映画ってどうやって作るんだっけ?』と感じてから、次第に『こうやってやるんだ』という思いが加速していく。いい加減そういうループを脱して、次作への考えを共有しようという側面もあった」と語っていた。
さらに「『バンコクナイツ』は10年も考えていたことを詰め込みまくった映画。このドキュメンタリーと5面マルチ画面のインスタレーション、今回発売された『バンコクナイツ: 潜行一千里』という書籍に分散させてすら、まだ足りないくらいの思いの丈がある」と熱弁した富田監督。「ようやくこうやって色々な形でお見せすることができた。皆さんにも長く楽しんでいただければなと。もし気に入ったら周りの方々にお勧めしてください」とアピールしていた。
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