ドラマ版とは全く違うラスト! 園子温監督「東京ヴァンパイアホテル」映画版がいよいよお披露目
2017年11月21日 13:00
[映画.com ニュース]園子温が総監督・脚本を担当したAmazonプライムドラマ「東京ヴァンパイアホテル」を映画版として編集した「東京ヴァンパイアホテル 映画版」が、11月23日、第18回東京フィルメックスで特別招待作品として上映される。これまでに海外の映画祭では上映されたが、このほど日本での初披露となる。奇抜な豪華ホテルを舞台に、吸血鬼同士の抗争と滅亡の危機に瀕した人類の戦いを過激なアクションをふんだんに用いて描いた物語。上映を前に、園監督に話を聞いた。
由緒正しいヴァンパイアであるドラキュラ族の一員であるK(夏帆)は、「ホテル・レクイエム」に住み、人類を窮地に立たせている“ネオ・ヴァンパイア”のコルビン族である山田(満島真之介)と奇怪な女帝姉妹(安達祐実)、エリザベス・バトーリ(神楽坂恵)らから、謎のキーパーソン、マナミ(冨手麻妙)を守るべく戦いを挑む。
「子供の頃から、クリストファー・リーの『吸血鬼ドラキュラ』など古いドラキュラ映画のファンだったんです。だから、最初に自主映画で作りたかったのも吸血鬼映画。そのくらい好きだったけれど、ずっと作品にはできていなかった。そうしたら偶然、ルーマニアで僕の回顧上映があって、ドラキュラ城やトランシルバニアなど、吸血鬼のゆかりの地を巡ることができて、やっぱりここで撮ってみたいと思ったんです。それと、Amazonのドラマの話が来た時期が偶然重なって。ルーマニアでの印象と、ドラキュラが箱根の富士屋ホテルみたいな豪華なホテルを経営してたらどういう感じだろうと、物語を考えていきました」
「歌舞伎町の銃撃戦のシーンは、僕の故郷の愛知県豊橋市で撮りました。今、日本では街中での銃撃戦なんて撮れないのですが、僕は豊橋市ふるさと大使でもあるので、そこは甘えさせてもらいました。軽いセットを作って、『ゴッドファーザー』とか、昔のギャング映画へのオマージュのようにすべてぶっ壊したんです。今回、CGはごくわずかしか使っていないんです。普通は弾痕なんかはCGで作ってしまうのですが、この作品の銃撃戦での車の弾着の穴は本当に開けています。血しぶきもかなり現場でがんばって作っています。『ラ・ラ・ランド』のオープニングもCGを使わなかったと話題になりましたが、今、CGを使わないことが一種のステータス。そういう時代になっているので、手の届かないところ以外はCGに頼らないというスタンスで臨みました」
「予算が多くはない分、あまり見たことのないものにしたかった。ロケ先のホテルを借りたようなものを作っても仕方がないので、色使いなどはこの地球上で存在しないような感じを狙いました。ホテルの基調となる色は実は、ルーマニアの国旗の色なんです。セットはすべて自分でコンテを描きました。フロントは『スカーフェイス』そっくりにして。赤以上に奇抜な色を考えて緑を持ってきたり…。ああいった色使いの映画といえば、ダリオ・アルジェントの『サスペリア』なんかの影響もあります」
「日本は吸血鬼モノが多くないし、そんなに成功している感じがありませんが、今作はルーマニアの史実に基づいたドラキュラとヴァンパイアの物語。一時期本当にドラキュラ伯爵はコルビン城の奥深くに幽閉されていたんです。まあ、なんかそういった背景を知らなくてもジェットコースター的に楽しめるものになっています。ちょっと恐ろしいシーンもあるので、そういうものが苦手な方は注意が必要かも知れませんね」
「もう、原作ものの時代は終わりました。最近も映画のことで中国に行っていましたが、今後は日本だけではなくて、いろんな場所でオリジナルで撮ります。アメリカやヨーロッパでの予定もあるので、来年以降は日本で撮る作品がちょっと少なくなるかもしれません」
「東京ヴァンパイアホテル 映画版」は11月23日上映。第18回東京フィルメックスは26日まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。
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