東京ヴァンパイアホテル 映画版

東京ヴァンパイアホテル 映画版

解説

園子温監督がAmazonプライム・ビデオで製作・配信したオリジナルドラマの特別編集版。2017年・第18回東京フィルメックスの特別招待作品。

2017年製作/142分/R15+/日本

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映画レビュー

3.0素敵な俳優陣がもったいない

2024年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

可能な限りの人材とセット、時間などが費やされた作品だというのは伝わってくる。
しかし、それらを活かすための細部が大雑把すぎるのが残念なところだ。
それは、すべての場面を構成するための脚本(シナリオ)のプロットにも表れていて、そもそも企画段階で大きなミスがあったと思わざるを得ない。
または、これも一つのポルノかもしれない。「ヴァンパイアポルノ」
素晴らしい俳優陣たちがもったいなく感じる。
この作品のキーとなるマナミの描かれ方もかなり雑で、ヴァンパイアと名乗るからには美しさは必要な要件だと改めて感じた。
このマナミは不気味でしかない。
バケモノ化したマナミは回想で義父母に気持ち悪いとかバケモノとか言われているが、その根拠が見当たらず、感情移入できない。
ドラキュラ族の予言という設定で、9時9分9秒生まれの3人がドラキュラ族を救うという設定。しかし3人のうち2名までが22歳を待たずに狂って自殺したことになっている。
残ったマナミも半分狂ったようになって髪の毛を刈り落したが、この下りはマナミをバケモノ化する以外に見当たらず、その効果は見る側の気分を悪くさせている。それともマナミは、バイオハザードのラスボスのようなものとして描いたのだろうか?
随所に繰り広げられるアクションも付焼刃的で、まるでごく短時間で撮影を終了させてしまったような感じだ。
さて、
山田はKに対し「悲しみがわかるか?」と尋ねるシーンがある。この悲しみというのがこの作品の大きな隠しテーマだと思う。
山田は実の親に売られてヴァンパイアとなった。その親は今では総理大臣だ。TVで演説する彼を見ながら山田ははらわたが煮えくり返るほど激高するが、その怒りの裏返しこそが彼が捨てられたという悲しみだろうか。
人間ではなくなった彼だったが、悲しみが彼の心の中心にある。人間の総理大臣こそ人間ではないと彼は日ごろから感じているのだろう。
しかしなぜかその矛先はそこには行かず、コルバン族である彼はヴァンパイア族との戦いへ意識を向けている。このブレも作品のブレで、このチープさが細部に宿っている。
友人だったノアがKを呼ぶ声に誘われるKだったが、ノアに刺されてしまう。
山田はKに言う。「お前も悲しみがわかったか?」
なかなかのセリフだが、そもそもKはごく最近ヴァンパイアとなったのだから、一般的に悲しみはある程度経験しているはずだ。
このような細かなところに突っ込みたくなるので、作品に感情移入できない。
安達祐実さん演じる妖怪のようなものの登場があまりにも昔の手品のようで思わず吹いてしまう。
2017年に配信されたこの作品が、2004年に配信されたヴァンヘルシングのクオリティに遠く及ばない理由が知りたいと思った。

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R41

1.0無駄遣いが激しい手段が目的化した無念な作品。

2022年10月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

萌える

内容は、現代の東京2021年を舞台にした吸血鬼の派閥争いを映像化した作品らしい。印象に残った言葉は、『3分後に落ち合おう!』冒頭の中川翔子の死亡フラグの台詞。天空の城ラピュタの三分間だけ待ってやるに似てて印象的でした。銃撃戦が序盤の目玉なのに過剰な演出が嘘っぽくて引きました。撃たれただけでは人は吹っ飛びませんしハンドガンならヘッドショットは激難でマシンピストルも片手撃ちなら暴れて怪我します。刀も切れるの五人程で後は切れ味落ちるので牙突ぐらいしか殺傷能力が無いらしいです。過激な演出をしたいが為に撮られた配役と映像は物語の方向性と世界観を行方不明にしてしまったようで、コメディでした。でもルーマニア🇷🇴での撮影やヨーロッパの石畳の街並みや地下の岩塩窟の観覧車は本物らしくえらいロケに凝ってるなと思いきやセットの生活感のないホテル🏨どうしたいのか笑いが止まりませんでした。なのでドラマ版の2話目が個人的には印象に残りました。ルーマニアの妖精ようなタレントも雰囲気あって良かったです。後半はグダグダになりながら、それでも良かったよねーってな感じおわります。結果、当初の目的ドラキュラ族と天敵コルビン族との決着はつきませんでした。エリザベート役の人の表現は1人だけ浮いてたのが気になりました。最後の晩餐を最後に持って来たかっただけなのか?!過剰なBGMと演出は笑えるしドラマ版も映画版も舞台的で大河ドラマの風呂敷の畳み方を間違えた様におもえます。ドラマと映画の終わり方を全く変えた辺りは良かったと思います。全体を通して無駄にお金掛かってる割に、キャラの深さや設定の甘さが物語に圧倒的な不安を覚える珍しい作品である事には変わりないと思われる。一つ間違えれば先の見えない終わりは永井豪の名作デビルマンに近付いていたかと思うと惜しまれます。中々クリエィティブに自分の意思でやり通す事の難しさと物語の面白さに結びつかない苦しさを感じました。

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コバヤシマル

3.0予告動画が全て

2022年9月20日
iPhoneアプリから投稿

ドラマ版も観ました。
ドラマ版の後だったせいか、唐突に終わってしまった感じがして物足りなく感じました。ドラマ観ていなかったらそんなもんなのかなって思います。

ストーリーの内容とかはどうでもいいから、心震えるようなシーンがもっと欲しかったし、もっとできたはず。アクションが中途半端に見えました。

ドラマ版でいう1話と予告はとても好きです。

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トロイメライ