蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」に日本映画の底力感じた!
2017年11月11日 07:00

[映画.com ニュース] 沼田まほかる氏の人気小説を映画化した「彼女がその名を知らない鳥たち」(公開中)のヒット記念イベントが11月10日、東京・新宿バルト9で開催され、蒼井優と白石和彌監督が観客からの質問に答えた。
金も地位もない15歳年上の男・陣治(阿部サダヲ)と同棲中の十和子(蒼井)は、8年前に別れた恋人・黒崎(竹野内豊)のことが忘れられず、黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島(松坂桃李)と関係を持ってしまう。ある日、黒崎が行方不明であることを告げられた十和子は、事件に陣治が関係しているのではないかという疑いを抱く。
本作で蒼井は、激しいラブシーンにも挑戦している。「30代近くなってからこういうシーンをやらせていただくことも増えてきましたね」と語る蒼井は、「10代後半や20代前半にやっていた役って多面的で面白かったなと思うことがあるんですが、今は30歳を超えてからいただく役の方が面白い。10代のときは多面的ながらも、それぞれの面がまっすぐだったんです。今は1つひとつの面がぼこぼこで、余計人間臭くて面白い。だから、そういうシーンがあるからうーん……ということはないですね」と真剣なまなざしで語る。
さらに、白石監督に向けて「監督の演出はとにかく大胆。万人受けする演出ではなくても、賭けに打って出ることができる。お客さんをすごく信じてらっしゃるので、私たちも強い気持ちを持って現場に臨むことができました」と信頼を寄せ、観客の顔を見渡しながら「こういう映画を、私は“映画だな”って思う。監督の脳内に入った気になれるのが私は映画だと考えていて、これからもこういう映画を作ることができるように、皆さんと一緒に日本映画を守っていきたい」と呼びかけると、客席からは温かな拍手が上がった。
「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」で知られる白石監督は、「今回は反響が大きいんです。これまで男臭いなかでのクズたちを撮ってきたんですが、本作は美しくいとおしい映画だということがわかってもらえて、『お前もこういう映画を撮れるんだ!』って言われましたね(笑)」と目を細める。「人間誰しも、いい人もクズな部分を持っている。両面を出そうというのはいつも持っています」と“クズ論”も飛び出した。
白石監督に対してはラストシーンに関する質問も飛び、「最初に原作を読んだときには僕も理解できなかった。どれだけ共感を持ってもらえるのかわからず、別のラストを考えてみたりもしたんですが思いつかない。2度3度と原作を読み返しているうち、これしかないと自信を持つことができました」と答え、観客をうならせていた。
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