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二宮和也×滝田洋二郎監督、初タッグ作クライマックスで見せた“至高のきらめき”

2017年11月5日 11:00

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垂涎の料理も見どころ
垂涎の料理も見どころ
(C)2017 映画「ラストレシピ 麒麟の 舌の記憶」製作委員会 (C)2014 田中経一/幻冬舎

[映画.com ニュース] 「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」(11月3日公開)を鑑賞すると、無性にビーフカツレツが食べたくなる。主演・二宮和也がクライマックスでカツサンドを頬張りながら見せた表情に、メガホンをとった滝田洋二郎監督は深い感嘆の声を漏らした。そのワンカットが魂を揺さぶり、途方もない多幸感が全細胞を駆けめぐったからだ。(取材・文/編集部)

食べた料理の味を絶対に忘れない“麒麟の舌”を持つ天才料理人・佐々木充(二宮)が、1930年代の満州で天皇の料理番・山形直太朗(西島秀俊)が考案した“究極のフルコース”を再現するなかで、レシピに隠された謎を解き明かしていく姿を、現代と過去を交錯させ映し出す。絶大な人気と実力を備えた二宮、「おくりびと」で米アカデミー賞外国語映画賞に輝いた滝田監督ら、日本映画界を代表する面々が結集。職人芸ともいえる技術の粋を凝らし、完璧主義ゆえに転落した充が再生していく人間ドラマと、軍靴の音が聞こえる満州で巻き起こる歴史ミステリー、そして垂涎の料理の数々を描出してみせた。

前述のクライマックスは、二宮の提案により変更が加えられている。充が体験した“すべて”が込められた会心のシーンであり、滝田監督は「台本のセリフは『おいしいな』でしたが、実際には『うまい』に変えました」と説明したうえで、「『おいしい』は、食べ物に対する言葉。流れから見て、最後の言葉は食べ物だけではなく、人生、自分の知らなかった人の思い、そしてステップアップへの感謝でなければと思った」と、二宮に頼もしげな視線を注いだ。

そして二宮は、“一発OK”にかける信念をにじませる。シーンごとの撮影で最初に見せる演技を「できたて」と例えながら、「一発目が一番いいと思っています。自分だけしか知らないことを一気にみんなにバーンと投げる感じが、すごく好きなんです」と明かす。続けざまに「毎カット毎カット、監督が『OK』と言う声のボリュームを上げたい。滝田組に参加すると、みんな思うんじゃないかな。監督が想像していたものにカチッとハマって、大きい声を出させたいんだよね」と目を細め、「クライマックスの撮影、あの日は酒がうまかった」とかみ締めるように語った。

その言葉通り、クライマックスシーン本番、二宮が初っ端から得も言われぬ輝きを放った。滝田監督は一発OKをかけた後、しばし呆然とスタッフたちと顔を見合わせ、「この顔を見るためにつくっていた」と確信したという。「まさに、ニノにしかできない表情。『はい、頂きました! ごちそうさま!』という感じで、ワンテイクだけでした。映画は実際に撮影してみないとわからないもので、ニノの表情を見て『これだったんだ。いいもの見ちゃった』と見事にハマった。ものを作っていて、あの瞬間が一番嬉しい」。

また二宮は、滝田監督作に満ちあふれるヒューマニズムは、ほかならぬ監督自身の人柄が源泉であると分析する。「皆さんビックリすると思います。滝田さん、こんなに明るい人なんだって。組全体も明るく、みんなに活気があるし、“作業”じゃないんですよ。みんながやりたいことを提案する現場って、そんなに多くはないんじゃないかな。その空気をつくっているのが滝田さんで、だからみんな、滝田さんの映画が好きなんだと、すごく伝わる現場でした」と話す。

対する滝田監督は、「明るいと言われてもね。ずっとこういう風にやってきたから。まあ、そういう意味で言うと、助監督時代からずっと、映画には泣かされてきましたから。あとは普段穢れているから、映画の現場では清らかでいたいよね」。朗らかに笑う姿に、百戦錬磨の貫禄を見た。

すべての謎が怒涛の勢いで収束し突入するクライマックスは、二宮の信念が発露し、滝田監督が受け止めることで紡がれた。充がカツサンドを「サクサク」と噛みしめ、涙ながらに幸福感を反芻するさまが映し出された瞬間、観客はそれまで目撃してきた数々の場面を走馬灯のように思い返すだろう。お腹を空かせて劇場に足を運び、“至高の一皿”をご賞味あれ。

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