映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

台湾ニューシネマの旗手ワン・レンの代表作が22年ぶりに上映!

2017年10月29日 22:00

リンクをコピーしました。
戒厳令と白色テロの時代の台湾を描く
戒厳令と白色テロの時代の台湾を描く

[映画.com ニュース]第30回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」に出品された映画「超級大国民」(デジタル・リマスター版)の上映が10月29日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、ワン・レン監督、プロデューサーのファン・ジェンヨウが出席した。

ホウ・シャオシェンエドワード・ヤンらとともに台湾ニューシネマをけん引したワン・レンの代表作をデジタル復元でよみがえらせた本作。1995年に東京国際映画祭コンペティション部門に出品されて以来、今回が22年ぶりの上映となった。満員の観客の前に立ったワン監督は「またこうやって22年後に東京で上映していただき、とてもうれしく思います。前回、22年前に上映されて以来、VCDとVHS版での発売はあったんですが、DVD版は出回っていなかった。しかも映像がぼやけている、画質の良くない海賊版が出回っていて。時には大学の教材ですら海賊版を使っているところもあったくらいです。ですから昨年、デジタルリマスター版を作ることができて、東京の皆さんにも見ていただくことができて。本当に幸せです」と感激の表情。

観客からも「22年前にあらすじを読んだときからずっと見たいと思っていたから、今回見られてよかった」「この映画の話は前から聞いていて、一度見たいと思っていたのに、DVDも発売されていないからなかなか観られないと聞いていたので、今回見られて本当によかった」といった喜びの声があがっていた。

本作の舞台となったのは1950年代の台湾。戒厳令と白色テロの時代。学生のコー・ゲーシン(許毅生)は政治的な読書会に参加したことを理由に逮捕され、投獄されるが、そこで思わず友人タン・チンイッ(陳政一)の名前を明かしてしまう。その結果タンは死刑に処せられコーは釈放されてしまう。30年後、施設で暮らすコーはタンの墓を探す謝罪の旅に出るという物語。

蒋介石政権下の1949年に布告された戒厳令は、市民の政治活動を厳しく取り締まり、「白色テロ」の名の下に市民の逮捕・投獄を行ってきた。本作はこの「戒厳令」を重要なモチーフとして描き出している。「この作品が作られたのは1995年。1987年に戒厳令が解かれてからまだ間もない時代でした。観客からは、ようやく戒厳令について話すことができる時代になったんだなと感慨深い声があがりましたね」と述懐するワン監督は、「テレビなどでは討論会番組などもあって、台湾の人は政治を話すことは好きなんですが、なぜか政治をテーマにした映画というのは非常に少ないんです。白色テロを描いた映画というのは、おそらく1本か2本くらいしかないんじゃないでしょうか。この作品がデジタルリマスター版になって再度上映されることになりましたが、22年前に見てくださった方はもちろんのこと、若い人たちもこんなことがあったのかと感動してくれましたね」と付け加えた。

ワン監督には、「超級公民」「超級市民」という作品もあり、本作と合わせて「超級三部作」と呼ばれている。「市民とは、台北市のスラムに住む普通の小市民を主人公にしたもので、超級とつけたのは皮肉です。いろいろ聞かれたのが、なぜ『超級大国民』だけ“大”がついているんですか? 長い映画なんですか? ということでした。実は何度もこの映画の脚本を書き直しているうちに、資金が足りなくなってしまい、自宅を抵当に入れて制作費を捻出したことがあったんです。下手したら破産するような状況だったんですが、そんな時に占い師に観てもらったら、タイトルに“大”を入れるといいと言われたんで、それでこうなったわけです」と明かし、会場を笑いに包んだ。

第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催中

ワン・レン の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

止められるか、俺たちを

止められるか、俺たちを NEW

2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。

青春ジャック 止められるか、俺たちを2

青春ジャック 止められるか、俺たちを2 NEW

若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 NEW

19世紀イタリアで、カトリック教会が権力の強化のために7歳になる少年エドガルド・モルターラを両親のもとから連れ去り、世界で論争を巻き起こした史実をもとに描いたドラマ。 1858年、ボローニャのユダヤ人街に暮らすモルターラ家に、時の教皇ピウス9世の命を受けた兵士たちが押し入り、何者かにカトリックの洗礼を受けたとされるモルターラ家の7歳になる息子エドガルドを連れ去ってしまう。教会の法に則れば、洗礼を受けたエドガルドをキリスト教徒でない両親が育てることはできないからだ。息子を取り戻そうとする奮闘する両親は、世論や国際的なユダヤ人社会の支えも得るが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じようとはせず……。 監督・脚本は、「甘き人生」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「シチリアーノ 裏切りの美学」などで知られるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。教皇ピウス9世役はベロッキオ監督の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」にも出演したパオロ・ピエロボン。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

コカイン・ブライド

コカイン・ブライド NEW

娘・ダーシャの将来のため、暴力的な夫から逃れようとマッチング・サイトに登録したニーナは、アメリカで暮らす裕福な引退した外科医・カールと出会う。すぐさまロシアからアメリカへと渡った親子は、ささやかな結婚式を行い、幸せな生活を楽しみにしていた。しかし、結婚式の直後から、ニーナとダーシャに不可解な現象が次々と降りかかる。頼りにしていたニーナの親戚は結婚式の帰路で事故死し、ダーシャは屋敷の中で女の幽霊を見るようになる。そんななか、ニーナはカールがコカインを吸っているところを見てしまう。ダーシャの将来を考えやりきれなくなったニーナは、人里離れた屋敷から出ていくことを決意するが…。

キャンディ・ウィッチ

キャンディ・ウィッチ NEW

現世に残る死者の声を聞く能力者のリースとその相棒兼恋人のキャットは、霊障に悩む人々からの依頼を受け、心霊現象の調査と除霊を行っている。ある夜、ルースという女性から「キャンディ・ウィッチに苦しめられている」と連絡を受けたリースは、キャットと共にヘザーの家を訪れる。お菓子の杖で子供を襲うキャンディ・ウィッチの正体は、かつて町の子供たちを虐待し苦しめた邪悪な乳母の悪霊だという。しかし、調査を進めるにつれ、キャンディ・ウィッチの呪いに隠された町の暗部が明らかになっていく。果たしてリースは、この悪霊の殺戮を阻止し、町にはびこる邪悪な呪いを解くことができるのか?

蒲団

蒲団 NEW

文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る