仏女優ダニエル・ダリューさんが100歳で死去 「ロシュフォールの恋人たち」など
2017年10月20日 17:00
[映画.com ニュース] フランスの大女優ダニエル・ダリューさんが10月17日(現地時間)、パリ郊外ボワ=ル=ロワにある自宅で死去した。享年100歳だった。死因は明らかになっていないが、最近転倒し体調を崩していたことを、ダリューさんのパートナーがAFP通信に語っている。
1917年5月1日に仏ボルドーで生まれ、パリで育ったダリューさんは、14歳のときにビルヘルム・ティーレ監督の「Le Bal(原題)」で女優デビュー。35年に結婚したアンリ・ドコアン監督の「背信」などに主演した。38年にはハリウッドに渡り、ユニバーサルの「パリの評判娘」に出演したが、その後まもなく拠点をフランスに戻した。
英BBCによれば、第2次世界大戦中は、ナチス・ドイツ支配下のフランスで芸能活動を続け、ベルリンを訪問するなど非難を受けたこともあったという。
終戦後は、マックス・オフュルス監督の「輪舞(1950)」や、「たそがれの女心」(54)でヒロインのマダム・ド役で名を馳せ、クロード・オータン=ララ監督の「赤と黒」(54)や、ジュリアン・デュビビエ監督の「自殺への契約書」(59)などで活躍。ジョセフ・L・マンキウィッツ監督の「五本の指」(52)、ロバート・ロッセン監督、リチャード・バートン主演「アレキサンダー大王」(56)などアメリカ作品にも出演した。
ジャック・ドゥミ監督の傑作ミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」(67)では、主人公の双子の姉妹の母親役をチャーミングに演じ新境地を開拓。フランソワ・オゾン監督のオールスターミュージカル「8人の女たち」では後続の仏女優たちと見事なアンサンブルを披露した。80年におよぶキャリアで約140本の映画に出演し、ブロードウェイの舞台にも立った。2010年のファミリードラマ「Piece montee(原題)」が最後の長編作品となった。
私生活では、ドコアン監督と40年に離婚し、ドミニカ共和国外交官でプレイボーイとして知られたポルフィリオ・ルビロサと42年から5年間結婚生活を送った。その後、再婚した脚本家のジョルジュ・ミツィキデとは91年に死別した。