作家・樋口毅宏、ジェイク・ギレンホールは「いま最も信頼できる俳優」
2017年10月13日 14:00

[映画.com ニュース] 世界的ファッションデザイナー、トム・フォードの映画監督第2作「ノクターナル・アニマルズ」の公開記念トークイベントが10月12日、都内で行われ、作家の樋口毅宏氏、デザイナーで映画ライターの高橋ヨシキ氏が本作の魅力を語り合った。
フォード監督が2009年の「シングルマン」以来7年ぶりにメガホンをとり、米作家オースティン・ライト氏が1993年に発表した小説「ミステリ原稿」を映画化したサスペンスドラマ。第73回ベネチア国際映画祭で審査員グランプリに輝いたほか、第74回ゴールデングローブ賞では助演男優賞(アーロン・テイラー=ジョンソン)を受賞した。
アートディーラーとして成功を収めているものの、夫(アーミー・ハマー)との仲に問題を抱えるスーザン(エイミー・アダムス)のもとに、20年前に離婚した元夫のエドワード(ジェイク・ギレンホール)から謎めいた小説の原稿が届く。原稿に目を通したスーザンは、暴力的な物語に不安を覚えていく。
樋口氏は「おしゃれでファッショナブルな映画を期待するかもしれないが、実際には『ファッションやアートの世界なんて、どうでもいい』と思っていなければ撮られない作品。それに色々な解釈ができるので、ご覧になった皆さんもきっと今、モヤモヤしているはず」と一筋縄ではいかない仕上がりにほれぼれ。主要人物を演じるギレンホールについては「いま最も信頼できる俳優。彼が出ている作品にハズレはない」と太鼓判を押した。
高橋氏も「最後のシーンのとらえ方で、どんな風にでも楽しめるオープンエンディングですね」とうなずき、「きっとよく映画を見ていると思うが、露骨な引用はせず、抑制が利いた映画作りをしている」と分析。「デザイナーとして超一流なのに、自分でスタジオを立ち上げ、映画を撮っている。映画にとりつかれていると思うし、創作意欲があり、前作も今作もすばらしいので、次回作が楽しみ」とフォード監督の手腕に期待を寄せていた。
「ノクターナル・アニマルズ」は、11月3日から全国公開。
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