阪本順治監督「エルネスト」製作のきっかけは「高倉健さんの言葉」
2017年10月7日 16:11

[映画.com ニュース] 日本・キューバ合作映画「エルネスト」の公開記念舞台挨拶が10月7日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、主演のオダギリジョー、共演の永山絢斗、メガホンをとった阪本順治監督が登壇した。「ある俳優の先輩からお褒めの言葉をいただきました」と語り始めたオダギリ。「『こういう作品に挑戦してくれる姿勢がとても嬉しい。今後もこういう作品がつくられるように、お前が引っ張っていけ』と言われました。僕も意義のある作品に関われたことは大変嬉しいですし、役所冥利に尽きます」と胸中を吐露していた。
10月6日に全国111館で封切られた本作は、キューバ革命の英雄チェ・ゲバラからファーストネーム「エルネスト」を託された日系ボリビア人・フレディ前村の激動の半生を描く。史実を基にした物語では、ゲバラが広島を訪れ、広島平和記念公園で献花を行う“広島編”と、フレディ前村がゲバラへと傾倒し革命に身を投じる“キューバ編”で構成されている。
阪本監督は、劇場に駆けつけた観客に謝意を示すと「高倉健さんに感謝しなくてはいけないことがあります」と言葉を紡いだ。「2013年に脚本を書かないかと依頼されたです。国、国籍、人種に関するお話をして、それをヒントに書かせていただけるなら、登場人物に日系移民を出す予定だった」と告白。その後、日系移民に関してリサーチを重ねていき、存在を知ったのがフレディ前村だったようだ。その企画は惜しくも頓挫してしまったようだが「高倉さんの言葉がなければ、日系移民のことを調べようともしなかったし、フレディ前村も見つけなかっただろうから『エルネスト』という作品はつくられなかった。直接的ではないにしろ、きっかけをつくっていただいた」と感謝の念をにじませていた。
フレディ前村が革命家としての命を全うしたのは、25歳。オダギリは自らの25歳当時について問われると「ちょうど『アカルイミライ』(黒沢清監督作)をやっていた頃。初めての主演作だったので、とにかく気合が入りまくっていた。共演が浅野忠信さんだし、藤竜也さんだし、監督は黒沢さんでしたから。この作品で失敗したら次はないぞという気持ちだった」と述懐。目標としていた俳優スティーブ・ブシェーミのような「こだわりのある監督と何本も続けて世界観をつくっていく仕事をすること」を指針として、全てのシーンを全身全霊で臨んでいたようだが「黒沢さんから毎日のように『オダギリさん、そんなに芝居しないでください』と言われてました(笑)」と話していた。
オダギリにとって「エルネスト」は役者人生における記念碑的作品になったようで「今の日本映画には珍しいタイプの作品。このような企画に手を挙げる人は少ないだろうし、リスクを負う挑戦的な映画だと思って参加しました。10年後を考えた時、このような作品を製作する余裕があるかどうかは『エルネスト』が出す答えによると思う。観客の皆さんの力をお借りすることが『エルネスト』のような作品が死なない唯一の道だと思うので、ぜひ宣伝をしていただきたいです」と熱弁した。やがてオダギリの言葉に耳を傾けていた永山も同じく「オダギリさんがおっしゃった言葉を直接聞けるというのは本当にありがたいこと。きょう皆さんが作品を見て、何を感じたかということを“声”にして、周囲の方に勧めていただけると嬉しいです」とアピールしていた。
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