渡辺信一郎&荒牧伸志、「ブレードランナー 2049」の舞台裏を激白
2017年9月27日 13:00

[映画.com ニュース] SF映画の金字塔「ブレードランナー」(1982)と続編「ブレードランナー 2049」をつなぐ短編作品(全3作)の1エピソードとなるアニメーション作品「ブレードランナー ブラックアウト2022」の世界最速上映イベントが9月26日に都内で行われ、監督・脚本を手がけた渡辺信一郎と劇中のスピナー(飛行車)のデザインを担当した荒牧伸志がクロストークを行った。
2019年を舞台にした第1作と49年が舞台の最新作の間に起こった、大規模停電事件を描く本作。この停電によって財政や市場は世界的に停止、食物の供給は切迫。レプリカントの製造を禁止する法令が出されるまでに発展したという一大事件だ。舞台は22年。イギー(声:松田健一郎)とトリクシー(声:青葉市子)という2人のレプリカントが、大停電によって世界中の電子機器をシャットダウンさせ、レプリカントにまつわる全てのデータを抹消することで人間とレプリカントの境界線を崩そうとするさまが描かれる。
「カウボーイビバップ」や「アニマトリックス」で世界的な人気を誇る渡辺は、オファーが来た当時を振り返り「やりたいなという気持ちが半分、ハードルが高いのでやりたくないなという気分が半分」と吐露しつつも、「力がこもりすぎなくらい込めました」と自信をみなぎらせた。「APPLESEED アップルシード」シリーズで知られる荒牧は「渡辺さんが1番のファン。よく知ってるなということを次々に要求してくる。1作目で使われていたフォントを調べてきて、(劇中に登場する)モニターに映るフォントを全部指定してくるんです。なるべくしてなった人なんだなと思いましたね」と称えた。
渡辺監督は、荒牧と共に「『ブレードランナー 2049』の撮影を見に行った」と明かし、「脚本とコンセプトアート、撮り終えたばかりのラッシュをいくつか見せてもらいました。『どうだ』って感じで見せてくるんですが(笑)、1つひとつのカットが芸術品みたいで『すみません、こんなのできません……』っていう感じでした」と圧倒されたという。撮影は意外にも「自然光で撮ってるんですよ。『ブレードランナー』の世界っていつも曇ったり雨が降ったりしてると思うんですが、曇り待ちになってたんです。それが面白かった。爆破も本当に行っていましたね」と瞳を輝かせて語った。
製作においてはドゥニ・ビルヌーブ監督と対面し、打ち合わせしつつ進めていったそうで、「ドゥニ(・ビルヌーブ)監督は、『AKIRA』とか『攻殻機動隊』など、アニメを結構見てらっしゃった」(渡辺監督)と意外な面に驚いたという。渡辺監督は「スタッフに『ブレードランナー』のフリークが多く、小物に貼ってある日本語も、ちゃんと間違えてるんですよ。そういう部分も狙って再現してるんです。ドゥニ(・ビルヌーブ)監督に聞いたら、ファンが多いから言わなくても勝手にやってくれるらしい」と見どころを挙げた。
「渡辺さんがプレゼンテーションをされて、監督もすごく喜んでましたね」と振り返った荒牧は、シリーズが持つ影響力について改めて言及し、「(『ブレードランナー 2049』の)シナリオが丸一日で消えちゃうというスパイ映画みたいなセキュリティで。そのころ実家に帰っていて、パソコンが手元になかった……携帯電話で泣きそうになりながら読みました」と苦笑い。会場からは笑い声が上がった。
なお、イベントでは残り2本の短編も上映され、ファンは興奮の表情を浮かべていた。
「ブレードランナー ブラックアウト2022」は、公式YouTube(https://youtu.be/MKFREpMeao0)で公開中。ハリソン・フォードとライアン・ゴズリングが共演した「ブレードランナー 2049」は、10月27日から全国公開。
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