W・ヘルツォーク監督の特集上映、10月開催! 劇場初公開作もラインナップ
2017年9月19日 17:00
[映画.com ニュース] ドイツの鬼才ベルナー・ヘルツォーク監督作を上映する特集イベント「誕生!ヘルツォーク」が、10月7日から東京・新宿K's cinemaで開催されることが決定。ラインナップされたのは、全10作品。怪優クラウス・キンスキー主演作や、劇場初公開となるドキュメンタリー「問いかける焦土」(1992)などをデジタルリマスター版で楽しめる。
9月5日に75歳の誕生日を迎えたヘルツォーク監督は、長編処女作「生の証明」(68)でベルリン国際映画祭新人監督賞を獲得すると、ライナー・ベルナー・ファスビンダー監督、ビム・ベンダース監督と並び、ニュー・ジャーマン・シネマの担い手として活躍。近年ではニコール・キッドマン主演の伝記ドラマ「アラビアの女王 愛と宿命の日々」(15)のメガホンをとるなど、旺盛な創作活動を続けている。
同イベントで上映される10作品のなかで、キンスキーとタッグを組んだのは「アギーレ・神の怒り」(72)、「ノスフェラトゥ」(78)、「ヴォイツェク」(79)、「フィツカラルド」(82)、「コブラ・ヴェルデ」(87)、長年にわたる交流をとらえたドキュメンタリー「キンスキー、我が最愛の敵」(99)の全6本。そのほか、ベルリンからアメリカへ渡った男達の葛藤を描出した「シュトロツェクの不思議な旅」(77)、ある教育施設で起こった小人たちの事件を描く「小人の饗宴」(69)、第28回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ&国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を獲得した「カスパー・ハウザーの謎」(75)を上映する。
93年のメルボルン国際映画祭グランプリを獲得した「問いかける焦土」は、92年にNHKで短縮版、00年にヘルツォーク監督特集のプログラムとして1度上映されただけという幻の作品で、完全版での劇場公開は今回が初のこと。ワーグナー、シューベルト、ベルディ、マーラー、プロコフィエフらの荘厳な楽曲を背景に、湾岸戦争の影響によりクウェートで発生した油田火災の消火活動を中心に映し出している。戦火により黒煙を上げる油田地帯、破壊され人気が消えた町、海水のように流れてゆく石油を活写しており、予告編では、まるで“見知らぬ惑星”をカメラがとらえているような映像の一部が確認できる。
「誕生!ヘルツォーク」は、10月7日~27日に東京・K's cinemaで開催。