「ザ・マミー」でタッグ!森川智之&山路和弘が解説する“吹き替えの極意”とは?
2017年7月28日 14:00

[映画.com ニュース]トム・クルーズ主演で、往年のホラー映画「ミイラ再生」をリブートするアドベンチャー超大作「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」(公開中)の日本語吹き替え版でボイスキャストを務めた声優の森川智之と山路和弘が、作品の魅力や役作りについて語った。
ユニバーサル・ピクチャーズが往年のモンスター映画を連続リメイクする「ダーク・ユニバース」の第1弾。米軍関係者のニック(クルーズ)は、5000年もの間棺(ひつぎ)に封印されていた古代エジプトの王女アマネット(ソフィア・ブテラ)を目覚めさせてしまったことから、アマネットに選ばれ、執ように狙われる。クルーズの吹き替え声優を長らく務める森川がニックを、山路がラッセル・クロウ扮する秘密組織“プロディジウム”のリーダー、ヘンリー・ジキル博士を演じている。世界興行収入は3億9200万ドルを突破(7月26日時点)した。
森川は「すべてが網羅されているエンターテインメント。それでトム(・クルーズ)が主演だったりするから、この夏はこれを見ればもういいんじゃないか、っていうぐらい。ギャグテイスト満載なところがあって、演じていても楽しかったですね。トム作品としては、こんなにふんだんにちりばめられているのは今だかつてないんじゃないのかな。トム・クルーズって手の届かない設定の役が多かったけど、本作の主人公のニックはリアルな等身大の人間で、見ているほうが自分自身を重ねられる。今回はトムがいきなり引っぱたかれますし、彼が全裸で後ずさる姿は他では見られないと思いますよ」と吹き替え声優の目線で語る。

本作では、正義漢を演じることの多いクルーズがチャラさ全開の盗人に扮しており、新たなイメージを打ち出しているが「セリフの言い回しにしても、吹き替えていて、いつもと違うテンポ感だったり、(クルーズが)すごいすっとんきょうな声を出したりとかするんですよ。だから、“これは相当楽しくやって撮影したのかな”というのが垣間見えて。トムがプロデュースもしている作品だと、役作りも寄せていかなくちゃいけないんですが、今回は僕自身もいい意味で楽に、僕自身にゆだねられている部分もあるのかなと思いながら演じましたね」と森川にとっても新鮮な体験だったようだ。
対する山路は「ラッセル・クロウはなんか楽しそうだったな。トムと仲がよさそう」と印象を語り、「地で演じるのが彼のよさ。そこがラッセル・クロウの名優たるゆえんだろうと思うから、そんなに変える部分はなかったですね。ただ、ジキルとハイド(ジキルの中にひそむ別人格)の演技の変え方が、自分で笑いながら、ちょっとはにかみながら楽しんでるって感じに見えたので、こっちもそんなに頑張って変えない方がいいなと思って、ゆだねてみたんです」とあくまで自然体で役と向き合ったそうだ。
ダーク・ユニバースでは本作を皮切りに、ジョニー・デップ主演の「透明人間」、ハビエル・バルデム主演の「フランケンシュタインの花嫁」などがラインナップされている。本作に登場するジキル博士は今後のダーク・ユニバースをつなぐキャラクターであり、以降のシリーズでのニックの再登場も期待される。山路が「俺は個人的にドラキュラが好きだから、いつやるんだろうと楽しみ。子どものとき見たスリラーハウスってのがあってさ。ドラキュラが女の人の首や肩に、くっとやる(かみついて血を吸う)あれがもうたまらない。いまだにぞくぞくってする(笑)」と性癖を告白すれば、森川も「透明人間には子どものころすごくワクワクしましたね。なんか悪いことできるぞって。こうやって作品が続くことで夢の共演が見られたりするわけですから、楽しみですよね」と童心に返ってはしゃいでいた。
森川と山路は、クルーズとクロウ以外にもキアヌ・リーブス、マーティン・フリーマン、ユアン・マクレガー(森川)、ウィレム・デフォー、ジェイソン・ステイサム、ヒュー・ジャックマン(山路)など幾多のスターの吹き替えを担当してきた。業界をけん引する2人に吹き替えの“極意”を聞くと「画がなかったら同じになっちゃうと思うんですよ。映像があることによって想像力をかきたてられる。僕らが意図して変えてるわけじゃないんです。計算して、“この声だ”ってやってるわけじゃなくて、この役になってその映像を見ながらやるから、そのときのシチュエーションで、その声が出てる」(森川)とロジックを解説。「“あのときのセリフを言ってくださいよ”とか言われるのが、僕らは1番困るんですよ」と漏らす森川に「本当に困る。(映像がないと)“おんなじですね”って言われて終わっちゃうんだよ、大体(笑)」と山路も同調していた。
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