ローラ・ダーン、マクドナルドの内情暴く「ファウンダー」役作りでヒントにしたこと
2017年7月19日 14:00
[映画.com ニュース] 大手ファストフードチェーン・マクドナルドの躍進の裏に隠された衝撃的な覇権争いを描いた「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」で、主人公のセールスマン、レイ・クロック(マイケル・キートン)を献身的に支える妻エセルを演じたローラ・ダーンが、役どころについて語った。
クロックは、南カリフォルニアでハンバーガー店「マクドナルド」を経営するマック&ディック・マクドナルド兄弟から同店のフランチャイズ権を獲得し、世界最大級のファストフードチェーンへと成長させた人物。映画では1954年、米イリノイ州出身のしがないセールスマンだったクロックが、マクドナルド兄弟に取り入り、驚異的なバイタリティでチェーンを拡大させていくさまを描く。「スパイダーマン ホームカミング」(8月11日公開)では悪役を演じるキートンが、次第に狂気をあらわにしていくクロックを怪演している。
オスカーにノミネートされた「わたしに会うまでの1600キロ」や、アンドリュー・ガーフィールドと親子を演じた「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(12月15日公開)と話題作に次々と出演するダーンは「母(女優のダイアン・ラッド)には、今回の役作りにおいてだいぶヒントをもらったわ。母はレイ(・クロック)と同じような意欲的で各地を飛び回るセールスマンの父に育てられ、そのことで祖母はさびしい思いをしていたという話を聞いたの」と明かす。
劇中では、クロックがマクドナルドの拡大にのめり込んでいくのと反比例するように、夫婦のすれ違いが次第に大きくなっていくさまが描かれる。ダーンは「スクリーンに登場する私たち(レイとエセル)夫婦は、結婚生活で重大な局面を迎えている時期だった。エセルは今の生活に満足していて、これで十分と言うのだけど、レイは自分が引きずり降ろされるのを恐れている。彼は満足してしまうとやる気を失うからよ。レイは自分と同じような、エセルが持ちえなかったビジネスの意欲を持った人物を見つける必要があった」と妻の視点からクロックの内面を考察する。
キートンの怪演ぶりが際立つ作品だが、ダーンは「(クロックを演じる自分が)好かれようが嫌われようが、どう思われようがまったく気にしなかった。レイ・クロックになりきること、それだけに興味を持っていたわ!」とキートンの俳優魂を称賛。一方、キートンは「ローラ(・ダーン)は、本当に奇妙でちょっとしたおかしなバランスのポイントを見つけるんだ。(夫婦関係がこじれていくが)泣き言やガミガミ口うるさく言うのではなく、ローラはタフに演じる。すべてのちょっとした瞬間、移行は実に見事で、僕は長い間ずっと彼女のファンだった!」とエセルの微妙な感情を丹念に演じたダーンを褒めちぎっている。
これまでに「しあわせの隠れ場所」や「ウォルト・ディズニーの約束」を手がけてきたジョン・リー・ハンコック監督は「僕はローラが大好きだ。この作品ではレイが出会った女性たちとの時間が無駄なものではなく、どんなに大切であったかを明確に描く必要があった。そういうシーンにおいて、誰よりもちょっとした瞬間から多くのことを引き出せるのが、ローラ・ダーンという人なんだ。夫婦で出かけるカントリー・クラブでの食事のシーンが顕著なんだが、ローラはデリケートな瞬間のマスターだよ!」と語っている。
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」は、7月29日から全国公開。
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