映像に包まれる感覚!3面マルチ上映の「Screen X」を体験してきた
2017年7月4日 19:00

[映画.com ニュース] 巨大スクリーンと高解像度を売りにしたIMAX、座席が揺れたり水が噴き出したりとアトラクション的要素で人気の4DXやMX4Dなど、映画上映にもさまざまな選択肢が広がっているが、2015年に生まれた超ワイドスクリーンを誇る新形態「Screen X」がついに日本に参入。東京の「ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場」に第1号がオープンしたので、早速お披露目イベントである内覧会に参加してきました!
既に7月1日から「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」を上映している「Screen X」。一体どんなものかと言えば、 客席正面のスクリーンのみならず、左右の壁いっぱいに映像が広がる3面マルチ方式のワイドスクリーン。いや、もはやワイドやワイダーを超えて、ザ・ワイデスト・スクリーンと呼ぶべきか。これまでに韓国、中国、アメリカなど7か国で導入されており、日本は8か国目、120番目の「Screen X」となる。

3面マルチ方式のワイドスクリーンには、実は1950年代に登場した「シネラマ」があった。これは3台のフィルムカメラを並べて撮影し、3台のフィルム映写機を並べて上映するシステムで、当時大きな話題を呼んだものの、コスト面などの問題が多くて長続きしなかった。その後も、映画業界は劇場ならではの迫力を求めてスクリーンのワイド化に工夫を凝らしてきたが、「Screen X」が過去のワイドスクリーンと違っているのは、左右の壁にまで映像が広がっていること。
こんな力業を実現させたのは、天井に設置された8台のデジタルプロジェクター。左右それぞれに4台ずつが稼働し、正面のメインスクリーンと連動した映像を映写する仕掛けで、いままでの映画上映とプロジェクションマッピングが融合したものだと思っていただければいいかも知れない。

「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」では、映像が壁にまで広がるのは全体の中の30分ほどだが、「Screen X」を開発した韓国の会社CJ CGVはウォルト・ディズニーと協力し、半年以上をかけて「Screen X」用の追加映像を制作した。左右の壁のための追加映像は、本編には使われなかった実写素材もあれば、CGで作成される場合もあるという。9月公開のパニックアクション「新感染 ファイナル・エクスプレス」は製作当初から「Screen X」の上映が想定されており、「Screen X」のポテンシャルを知る意味でも重要な一本と言えそうだ。

面白いのは、「Screen X」には3D上映はなく、基本的にすべて2D上映なのだが、270度の視界が映像で覆われることで、2Dでありながら立体映像のように感じる瞬間があること。3D上映だとメガネが邪魔だとか、目が疲れるので苦手という人にもおすすめできるシステムである。
しかし今後、マルチ映写システムをさらに推し進めると、左右だけでなく天井や床にも映像が映る時代になるのではないだろうか。古い話で恐縮だが「機動戦士ガンダム」が「機動戦士Zガンダム」になったとき、コックピットからの映像が360度視界になっていて驚いた。そんなアニメみたいな未来ももはや遠いものではない気がしてくる「Screen X」。これまでにない映像体験ができることは間違いないので、ぜひ一度試してみてはいかがだろうか。(取材・村山章)

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