森川葵&北村匠海&佐藤寛太、波長合わせて“三角関係”演じる「恋と嘘」
2017年6月29日 08:00
[映画.com ニュース]「マンガボックス」で連載中のムサヲ氏による人気コミックを映画化する「恋と嘘」の撮影現場がこのほど、茨城・つくば市で報道陣に披露された。恋の三角関係に身を置いた主演・森川葵をはじめ共演の北村匠海(DISH//)、佐藤寛太(劇団EXILE)が取材に応じ、異色恋愛漫画の実写化に挑む日々を仲睦まじく語った。
物語は自由恋愛が許されず、政府が遺伝子情報などをもとに最良の結婚相手を決める「超・少子化対策法」が施行された、近未来の日本が舞台。16歳の誕生日に届く、結婚相手を報せる“政府通知”を心待ちにしている女子高生・仁坂葵(森川)が、心優しい幼なじみ・司馬優翔(北村)と、政府が決定したぶっきらぼうなパートナー・高千穂蒼佑(佐藤)の間で揺れ動き、究極の決断を迫られる。
この日は、特徴的な曲線を描くオブジェが印象的な公園で撮影。あと数10分で政府通知が届く葵は、優翔と公園で会うことになり、そこでまだ見ぬパートナーとの対面を想定した予行演習を行う。「見ての通り、なにもかも普通の高校一年生です」と、はにかみながら、たどたどしく自己紹介する様子に、優翔の秘めていた恋心があふれ出す。「好きだ」。ちょうどその時、葵の携帯電話に政府通知が届く。相手は誰か、2人の間に期待と不安が渦巻くなか、花束を携えた蒼佑が「仁坂葵のパートナーだ」と現れる。優翔は精一杯「おめでとう」と祝福するが、葵は蒼佑のドライな振る舞いに、言葉を失ってしまう。
和やかな雰囲気が一転、恋敵の出現が物語の風雲急を告げる重要なひと幕だ。段取りでは、古澤健監督(「クローバー」「ReLIFE リライフ」など)が声のトーンや心の流れなどを細かく指示。キャスト陣は即座に取り入れ、その度に演技はノビノビと、輝きを増していく。心情の演出においては、森川が“役を生きている”立場から思いを伝える姿も。古澤監督は森川の意見を頭の中でシミュレーションし、「それなら、こうしようか」と提案する。キャスト・スタッフ一丸となり、「全員で作品に磨きをかける」という意識が、強く表れていた。
3人が撮影で顔を合わせるのはこの日が初めて。しかし冗談を飛ばし、互いにいじり合うさまは、長年をともに過ごす友人関係を思わせる。森川が「2人(北村&佐藤)がすごく仲がいいんですよ」とほほ笑めば、北村は「僕は人見知りなんですが、2人はしゃべりやすくて。寛太くんとは、朝10時にファミレスでごはんを食べました。友だちとそういうことをするのも、初めてですよ」と嬉しそうに語り、佐藤も「『クレヨンしんちゃん』の映画を見に行くか、ハンバーグを食べに行くか、2択だったんだよね(笑)」と言葉を継いだ。その後、北村は「寛太くんと僕は声のトーンが似ている」と話しており、この2人が特に波長が合っているようだ。
今作で重視していることを問うと、森川は「根が暗いので、“森川葵”に引っ張られると暗い作品になってしまいそう。とにかく今回はポジティブに、オーバーに」といい、北村は「優しさであふれているキャラなので、笑顔です。ト書きに書いていない場面でも意識しています」、佐藤は「前半と後半の人間性ですね。ギャップを意識しています」と答える。一方で佐藤は、座長としてけん引する森川の力量に脱帽しきりで「表情が本当に豊かだから、目の前の葵ちゃんを見ていたら、自分が的確なリアクションを取れる。肩肘張らずに現場に入れるんです」と述べる。北村も「仁坂葵の笑顔を見て、出てくる表情がたくさんあります」と同調し、これには森川も「やったあ!」とガッツポーズを見せた。
また前日には、葵と蒼佑のキスシーンを撮影。3人は古澤監督の演出に言及し、森川は「監督は胸キュン系の映画をたくさん撮っています。前日のキスシーンでは、監督がソロ~っと寄ってきて『こういうのが好きだから、胸キュンを撮っているのかも』と言っていました。乙女ですね~」と目を輝かせる。北村も「すごく嬉しいよね。『今のすごく良かった』って、その人にだけ聞こえる声で言ってくれる」と頷き、「胸キュン作品は僕が元々こういうキャラじゃないから、なんだか恥ずかしくて演じる上で歯がゆさもあったのですが、監督の演出のおかげで頑張ろうと思えるんです」と大きな信頼を寄せていた。
「恋と嘘」は、今秋に公開予定。
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