総数6万5000枚超、1秒に12枚の油絵! 世界初、名画が動く映画「ゴッホ 最期の手紙」
2017年6月21日 10:00

[映画.com ニュース] オランダ生まれの画家フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎を描き、全編が動く油絵で構成された映画「Loving Vincent」が、邦題「ゴッホ 最期の手紙」として10月に公開する。
ゴッホの最期を描いた本作は、画家が残した作品をモチーフに、まず実際の俳優が演じる実写映像として撮影された。その後、世界各国から集められた125名の絵描きにより約6万5000枚の油絵が描かれ、全編が動く絵画によって構成された体感型アートサスペンス。狂人、天才と様々なレッテルを貼られたゴッホの手紙には「われわれは自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」と書かれており、その作品によって画家の人生を語らせる、世界初の試みとなった。ワールドプレミア上映されたアヌシー国際アニメーション映画祭では観客賞を受賞した。
実写撮影したフィルムを参考フィルムとして投影し、それをベースに油絵を描くためのPAWSと呼ばれるペインティング・アニメーション・ワーク・ステーションズ(Painting Animation Work Stations)を、製作のブレイクスルー・フィルムズが本プロジェクトのために2年の歳月をかけて設計。2カ国3カ所のスタジオ内、97台で作業された。そこで完成した油絵は総数6万5000枚を超え、各フレームをデジタルスチルカメラCanon6Dで6Kの高解像度写真として記録。本編1秒あたり12枚の油絵で構成されている。
俳優たちは、ゴッホの絵画に似せて特別に作られたセットで、あるいは撮影後にCGアニメーションでゴッホの絵と合成するためにグリーンバックで演技をした。俳優の特徴を残しつつも、絵画に登場する人物の風貌や雰囲気を伝え、著名な肖像として油絵で再現された。ダグラス・ブース、ヘレン・マックロリー、シアーシャ・ローナン、エイダン・ターナーら豪華俳優陣が共演。監督はドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン。撮影監督には「イーダ」のウカシュ・ジャル、「ファンタスティックMr. FOX」のトリスタン・オリバーらが起用され、劇中音楽はダーレン・アロノフスキー作品や数多くの映画音楽を手掛けるクリント・マンセルが担当した。
なお、本作には、7月20日から上野の東京都美術館で開催される「ボストン美術館の至宝展 東西の名品、珠玉のコレクション」にて、日本で初めて夫婦揃って展示予定のゴッホの描いたジョゼフ・ルーランと、その妻オーギュスティーヌの肖像画が登場。また、ゴッホが最晩年に交友を持った医師ガシェの家に残された芳名録や美術作品が展示される「ゴッホ展巡りゆく日本の夢」が、10月24日から同じく東京都美術館で開催される。
映画と展覧会を併せてゴッホの生涯とその時代を追体験できる貴重な機会だ。「ゴッホ 最期の手紙」は、10月TOHOシネマズ六本木ほか全国順次公開。
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