仲代達矢の生涯現役宣言に拍手喝さい 黒澤明監督とのトンデモ話も披露
2017年5月26日 23:00

[映画.com ニュース] 小林政広監督最新作「海辺のリア」のスペシャルトークショーが5月26日、東京・代官山蔦屋書店で開催され、「春との旅」「日本の悲劇」に続き小林監督と3度目のタッグを組んだ主演の仲代達矢が参加。本作について「初めて遭遇したような映画」と評した仲代は、作品にまつわる裏話だけでなく、役者としてのこだわりや名匠たちとの思い出話を明かし、会場に集ったファンを沸かせた。
同作は、「愛の予感」がロカルノ国際映画祭で最高賞の金豹賞に輝くなど、独創的な作風が国内外で評価されてきた小林監督が執筆したオリジナルストーリー。認知症の疑いがある往年の映画スターの心に宿る人生最後の輝きを描く。仲代が演じる主人公の桑畑兆吉は、舞台や映画で役者として半世紀以上のキャリアを積み、さらに俳優養成所を主宰する大スターという設定だ。
撮影の1カ月前に台本を手渡された仲代は「1ページ目に『これは仲代達矢の映画です。共演者、スタッフの方々、よろしくお願いします』という旨の記述があって、プレッシャーを感じましたね(笑)」と述懐。「元々不器用な役者。人の10倍も努力を重ねないといけない」と自身を言い表し、日頃から実行している意外な暗記法を告白した。「毛筆でセリフを書いていると、自分の身に入るような気がするんです。寝室の壁や天井に書いたものを貼るんですが、夢の中でセリフに追いかけられて飛び起きたこともありますね」と笑いながら語っていた。
巨匠・黒澤明監督がメガホンをとった「天国と地獄」の話題が飛び出すと、仲代は驚きのエピソードを披露。狂言回し的な戸倉警部を演じるにあたり、メイキャップテスト時に黒澤監督から「ヘンリー・フォンダでやってくれない?」と言われたそう。「当時の僕は額が狭かったんです。(イメージに合わせるため)生え際を毎日剃られていましたよ。黒澤さんは元々画家志望。画面に役者が出てきたら“この人物がどういう役柄か”という点をわからせるためにこだわっていたんです」と振り返っていた。
さらに、映画と演劇1作品ずつに出演した後に俳優業を引退することを宣言したアラン・ドロンの名前を挙げると「『キャリアはおしまいだ。命はこれから続く』と仰っていた。素晴らしい名言だと思います」と前置きし「私自身は『キャリアも人生も続けるまでやるぞ』と思っています」と生涯現役宣言。御年84歳の名優に惜しみない拍手が送られていた。
「海辺のリア」は、仲代のほか阿部寛、黒木華、原田美枝子、小林薫が共演。6月3日から東京・テアトル新宿、有楽町スバル座ほか全国順次公開。
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