「とにかく偉大な映画を作りたい」ウッディ・アレン監督の創作意欲の源泉は?
2017年5月4日 09:00
[映画.com ニュース]ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーブ・カレルが顔をそろえた「カフェ・ソサエティ」を手がけたウッディ・アレン監督の日本のファンに向けたメッセージ映像が、公開された。
1930年代のハリウッド黄金時代を舞台に、世間知らずの青年が2人の女性との恋を通して成長していくさまを描く本作。アレン監督は「とてもグラマーで、ものすごくロマンチックで、そしてエキサイティングな1930年代のハリウッドが舞台の映画だ。ニューヨークも舞台になっている。美しい女性が登場し、ギャングスターが登場し、映画スターが登場するんだ」と魅力を語っている。
本作の着想については、まず30年代を描く、という考えが念頭にあったという。「僕が生まれた時代だからすごく意味のある時代なんだ。だからこれまでにも『ラジオ・デイズ』でも描いてきた。すごく楽しい思い出がたくさんあるんだ。30年代のニューヨークというのは大恐慌の直後だったから、困難な時代だというのはわかっているんだが、そこには豊穣(ほうじょう)なナイトライフがあったんだよね。それをこの映画で描きたいと思ったんだ」。
コンスタントに作品を発表しているが、製作スタイルについて「物語を書くときは、そのときに自分に浮かんだものがよい物語だと思えたり、全体として成立すると思えたら、それを脚本にするんだ」と明かす。「『ブルージャスミン』にしても、あのとき偶然思いついたものだった。それが何であれ、そのとき思いついたものがよい物語になりそうだと思えたら、そして書くのがそれほど難しくもなくて、始まりがあり、中盤があり、それが面白いと思えるようなもので、よいエンディングが書けそうだ、と思ったら脚本を書くんだよ」。
簡単そうに語るアレン監督だが、豊かなイマジネーションと尽きることのない創作意欲があってこそ。アレン監督は「とにかく偉大な映画が作りたいんだ。偉大な映画を作るというのは、それだけでチャレンジだからね」と熱い思いを吐露。「偉大なるコメディでも、偉大なシリアスな映画かもしれない。だけど、いつだって、完璧な偉大な映画を作りたいと思って作っているんだ。でも失敗する。だから、毎回また挑戦する。それがずっと続いている。僕が延々と映画を作り続けているのは、それが理由だよ」と表現者魂を見せつけた。
現在のスケジュールについても言及し「今、『Wonder Wheel』が作り終わったところで、(2017年の)秋に公開する予定だ。ケイト・ウィンスレットが主演して、ジャスティン・ティンバーレイクが出る。それで8月の終わりには、ニューヨークで新作の撮影を開始する。その映画のキャスティングはまだやっていないが、脚本は書き終わっているんだ。だから今、8月の終わりから9月、10月に、ニューヨークのマンハッタンで撮影するための準備をしている。その次ももう考えているよ。今準備をしている作品の脚本はもう書き終えているわけだから、9月に撮影を開始するまで時間があるんだ。だから、撮影が開始するまでの間に、次の作品の脚本を書き終えるかもしれない」とまだまだ映画作りに没頭している様子を見せた。
「カフェ・ソサエティ」は、5月5日から全国公開。
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