DC女性社長が語る「ワンダーウーマン」の重圧と憧れ
2017年4月17日 07:00

[映画.com ニュース] 米DCエンターテインメント社長のダイアン・ネルソン氏が3月に来日し、バットマンやスーパーマンといったスーパーヒーローを有するDCのブランド戦略、新作映画「ワンダーウーマン」への思いを映画.comに語った。
DCエンターテインメントは、3つのコミックブランド「DC」「VERTIGO」「MAD」をベースに、映画、テレビ、ゲーム、関連グッズといったマルチプラットフォーム展開を行う。映画やテレビではワーナー・ブラザースとタッグを組み、大ヒット映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」「スーサイド・スクワッド」、人気ドラマ「ARROW/アロー」「THE FLASH/フラッシュ」などを生み出してきた。米ワーナーブラザース コンシューマープロダクツ社長も兼ねるネルソン氏は、DCが掲げる「クリエイティブ・エンジン」の理念を象徴する人物といえる。
映像化するキャラクターの選出と決定は、「科学ではなくアートなので、様々な方法がある」という。「独自の視点をもったフィルムメーカーの企画が、私たちのビジョンと合致すれば、それが発展することもあります。もしくは、あるキャラクターやチームをDCユニバースの代表にしようと話を進めていく中で、私たちのほうから声をかける場合もあります」。同社のチーフ・クリエイティブ・オフィサー、ジェフ・ジョンズ氏は昨年8月のインタビューで、これを「有機的なプロセス」と呼んだ。自然発生的ともいえる柔軟性は、同じアメコミ映画でも、「アベンジャーズ」シリーズ第4弾へ到達するまでのロードマップが完成しているマーベルとは大きく異なる点だろう。
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC“バッドガール”のハーレイ・クインが大ブレイクした昨年の「スーサイド・スクワッド」に続き、今年は女性スーパーヒーローの活躍を描く「ワンダーウーマン」が8月25日に公開される。シネマティック・ユニバースの開始はマーベルが先行したが、ヒロインの単独映画ではDCが先手を取った。しかし、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でファンの心をわしづかみにした美女戦士ワンダーウーマンには、期待の大きさに比例した重圧もあるという。
「毎回、期待以上の作品をつくる必要がありますが、一般的に女性主人公の映画はヒットしないと言われています。これから素晴らしい女性キャラクターをたくさん登場させる予定ですので、いまはなんとしても『ワンダーウーマン』を成功させなくてはと、プレッシャーを感じています」。
DCエンターテインメントの設立から7年、マーケティング、プロモーションのプロフェッショナルとして世界的ブランドを率い、ビジネスの世界の第一線で活躍してきたネルソン氏がインタビューの最後、「ワンダーウーマンと共通点があったらどれだけ素敵かしら」と表情を和らげた。「とても親近感がわくし、憧れたりもします。たくましくて我慢強いけど、思いやりもあって、それにロマンスもあったら言うことなし(笑)。男性のスーパーヒーローたちには、こんなふうに共感できないでしょうね」。
パティ・ジェンキンス監督、ガル・ギャドット主演の「ワンダーウーマン」は8月25日公開。バットマンやワンダーウーマンがヒーローチームを結成する「ジャスティス・リーグ」(ザック・スナイダー監督)は11月18日公開。
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