「メッセージ」知的生命体はどうやって作られた?来日中のドゥニ・ビルヌーブ監督が明かす
2017年4月14日 13:30

[映画.com ニュース]第89回アカデミー賞で8部門にノミネートしたSF「メッセージ」を手がけたドゥニ・ビルヌーブ監督が来日し、4月13日に東京・TOHOシネマズ六本木で行われた映画専攻の学生限定試写会の場でティーチインを行った。
「プリズナーズ」「ボーダーライン」で知られ、「ブレードランナー 2049」(10月27日公開)の監督に抜てきされたビルヌーブが、すぐれたSF作品に贈られるネビュラ賞を受賞した米作家テッド・チャン氏の短編小説「あなたの人生の物語」を映画化。言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)が、巨大な飛行体でやってきた謎の知的生命体が発する“メッセージ”の意味を探っていく。米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、満足度94%(4月13日時点)と高評価を獲得している。
ビルヌーブ監督は「30年間ずっとSFをやりたかったんだけど、そのためにはそれだけの作品にめぐり合わなければならなかった。本作を映画化しようと思ったのは、SFでありながら人間の物語であるから。文化、言語、コミュニケーションの持つ力といったトピックに非常にひかれたんだ。兵器とかテクノロジーだけでないSFこそ、僕が作りたかったものなんだ」と本作のドラマ性の高さに言及。「映画作りは詩を書くようなもの。解釈は見る人に任せたいと考えている」と前置きしたうえで「僕にとって本作は美しい物語。誰かを悼(いた)む気持ち、生と死と我々の関係、そして生きることの祝福を描いた素晴らしい物語なんだ。原作を読んだときと同じような深遠な感動を皆さんに感じていただければ」と語りかけた。
知的生命体のデザインについては「原作の中ですでに7本足と書かれていたんだが、デザインは楽しみだったよ。でも始めてみたら悪夢になったね(笑)。誰も見たことがないものを作りたかったから、長い時間をかけたよ。サブリミナルで“死”を感じさせるもの、それが1番大切だった。強い存在感と知性、見ていてちょっと怖いようなもの。モンスターではなく、ある“存在”を作ったつもりだよ」と明かす。映画監督志望の学生に対して「僕は、撮影のときにドアを開けるのも困難なくらいにパニックになる。撮影現場は不安との戦いだよ。でもね、それは答えがない状況に陥っているからこそなるもの。うまく味方にしてしまえば、パワフルなものになるんだ。例えば、花を早く育てようとしてもそれはできない。アイデアには育つ時間が必要なんだ。だから受け入れることを学んだよ」とアドバイスを送った。
タレントの関根麻里も駆けつけ、「メッセージの謎が解けたときの心と頭の衝撃がすごかった。ヒューマンドラマに引き込まれましたね。ルイーズの母としての決断が信じられないくらい強い。胸を打たれました」と感激の面持ち。学生と真摯(しんし)に接するビルヌーブ監督の話に熱心に聞き入っていた。
「メッセージ」は、「アベンジャーズ」シリーズのジェレミー・レナー、「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のフォレスト・ウィテカーが脇を固める。5月19日から全国公開。
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